三菱UFJ信託銀行(本社:東京都千代田区)は、財形貯蓄手続き業務をシステム/ペーパーレス化した。スパイラルが同社のローコード開発ツール「SPIRAL ver.1」で構築したシステムで、事務手続きに要する作業時間を73%削減している。スパイラルが2024年7月3日に発表した。
三菱UFJ信託銀行は従来、財形貯蓄の管理業務を紙と印鑑で処理していた。このため、財形貯蓄制度の加入者、財形貯蓄制度の導入企業・団体、三菱UFJ信託銀行のそれぞれにおいて、手続き業務に大きな労力を要していた。一連の業務における手作業の多さ、郵送手続きによる所要時間の長さ、人件費・通信費・紙の保管費などのコストに対し、課題を感じていた。
こうした経緯から、行内での事務作業軽減と、導入企業・団体の利便性向上を図るべく、財形貯蓄手続き業務をオンライン化するシステムを構築した。システムは、ローコード開発ツールの「SPIRAL ver.1」を使ってスパイラルが構築した。
まずは2015年、オンラインで財形貯蓄制度への新規加入・解約などの手続きが可能なシステム「財形WEB」を構築した。直近の2022年には、オンラインで勤労者積立額や奨励金、積立入金額を確認および変更できるシステム「帳票WEB」を構築した。
最初に構築した財形WEBは加入者向けのシステムで、財形貯蓄に関する手続きを、PC/スマートフォンなどから24時間オンラインで行える。新規申込、一部払出および解約請求、積立入金額の変更・積立中断・再開、住所変更届、改姓届、メールアドレスやパスワードなどの情報変更が可能である(図1)。
拡大画像表示
次に構築した「帳票WEB」は、導入企業・団体向けのシステムで、加入者の控除額明細書と奨励金明細書の確認および変更作業がオンラインで完結する(図2)。現在190社以上が導入しているという。三菱UFJ信託銀行の財形貯蓄データ管理システムと連携しており、データの突合や照会も自動化している。
拡大画像表示
帳票WEBにおいては、すべての手続きがオンライン上で完結するようになったため、手書き修正と郵送での手続きが不要となり、事務作業時間を約73%削減。また、毎月の入金金額の確認にかかっていた時間を最大約30%削減した。これまで手作業で行っていたところをボタンひとつでデータ照合までできるため、利便性の向上にもつながった。