山崎製パン(本社:東京都千代田区)は、注文・生産・物流などのデータ基盤のDR(災害復旧)システムをOracle Cloud Infrastructure(OCI)上の「Oracle Exadata Database Service」で構築した。オンプレミスのExadataで運用する約900億件のデータ基盤から「Oracle Data Guard」でリアルタイムに連携させる仕組みにより、オンプレミス環境ち比べてITインフラ費用を18%削減するという。日本オラクルが2024年8月1日に発表した。
パン・食品メーカーの山崎製パン(本社:東京都千代田区)は、全国28カ所の工場・生地事業所を運営し、約11万の販売店に商品を供給している。日々、大量の注文を受け付け、自社流通網を通じて作りたての商品を新鮮な状態で消費者に届けるシステムを確立している。
受注・配送システムをはじめとする同社の基幹業務システムを構成するデータベース/データウェアハウス(DWH)の稼働基盤はオンプレミスの「Oracle Exadata Database Machine」で、2010年より運用してきた。2021年にはこの環境を「Oracle Exadata X8M-2」で刷新。1日500万件、月1億5000万件発生する明細データを蓄積し、約900億件になるデータ基盤を構築している。
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同社は今回、事業継続性の向上を目的に、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)で動作する「Oracle Exadata Database Service」を採用して、DR(災害復旧)システムを刷新した。「Oracle Data Guard」を用いて、オンプレミスのExadataとクラウドのExadataをリアルタイム連携させる仕組みで、システム障害発生時の迅速な切り替えを可能にしている(図1)。
DRシステムをオンプレミス環境のみで構築する場合、データセンターの確保やハードウェアの保守、システム運用コストおよび作業負荷/時間の増大・長期化が想定されるため、今回の仕組みを選択した。オンプレミス環境と比べてインフラ費用を18%削減するとしている。