システム構築/プロジェクトマネジメント システム構築/プロジェクトマネジメント記事一覧へ

[事例ニュース]

SOMPOシステムズ、プロジェクト管理をAIで省力化、報告レポートを自動生成

2024年11月6日(水)IT Leaders編集部

SOMPOシステムズ(本社:東京都立川市)は2024年11月5日、AIを用いたプロジェクト管理の効率化・省力化の取り組みを発表した。日本IBMの「プロジェクト管理のためのAI」を導入し、同年10月より、グループの各事業会社のITプロジェクトにおいてレポート自動生成の仕組みを活用している。プロジェクトの進捗管理の効率向上のほか、各プロジェクトの状況の全体を俯瞰して管理できるようになった。

 SOMPOホールディングスグループのIT戦略会社であるSOMPOシステムズは、損害保険ジャパンをはじめとするグループ各事業会社のITシステム開発、保守・運用業務を担っている。

 同社によると、グループ内でITプロジェクトが増大する中、進捗状況の確認や報告作業において、現場から経営層までの各層で以下のような課題を抱えていたという。

  • プロジェクト現場:データ集計やレポート作成が手作業で、時に主観的な評価・報告になる場合がある。
  • プロジェクト管理部:各プロジェクトからの報告書の書式が異なり、全体評価資料を作成するうえで評価軸の統一や現場へのヒアリングに時間を要する。
  • 経営層:プロジェクト内容を精査する際、報告書だけではリスク把握が不十分なため、管理部や現場に詳細情報を直接確認する必要がある。

 こうした課題を克服すべく、プロジェクトを効率的に進め、客観的な指標に沿って評価する仕組みが求められていた。そこで同社は、日本IBMの「プロジェクト管理のためのAI」(旧称「Cognitive PMO」)を導入して、プロジェクト管理の効率化・省力化に取り組んだ(図1)。

 プロジェクトごとの進捗報告書や各種管理表をAIが読み取り、データ集計やレポート作成を自動化することで、報告書の作成にかかる負荷軽減を目指す。2024年1月にレポート自動生成の検証を開始し、機能改善を経て、2024年10月から本番プロジェクトへの適用を開始している。

図1:SOMPOシステムズが導入した「プロジェクト管理のためのAI」の概要(出典:SOMPOシステムズ)
拡大画像表示

 プロジェクトを可視化する仕組みと、既存のプロジェクト報告書を基にレポートを生成する仕組みでレポート自動生成を実現している。以下の機能を備える。

  • レポート一覧:緑/黄/赤で評価を表示し、注視すべき案件を識別できる。
  • ダッシュボード:タスク進捗や課題数など、過去からの推移をグラフで確認できる。
  • サマリーレポート:KPI評価の根拠やチームごとの状況を確認できる。プロジェクト側で任意のコメントを入力可能。
  • 定量情報:既存のスプレッドシートで作成した進捗状況報告を読み込み、ダッシュボードを生成する。主要分野別の進捗状況はタスク進捗推移グラフに、課題解決状況は課題数の推移などをグラフ化する
  • 定性情報:プロジェクにおける活動状況を月次で報告する。評価軸ごとの状況を緑/黄/赤で表示する

 新しい仕組みの下、プロジェクトマネジャーやPMOは、プロジェクトを成功に導くための施策や、事前に把握したリスク予兆への対応などに注力できるようになった。また、各プロジェクトの状況が可視化され、俯瞰的に全体を確認しながら、注視すべき案件の識別や詳細要因の把握が可能になったという。

 SOMPOシステムズは今後、レポートの自動生成とプロジェクト評価情報により、PMOの作業効率化と品質確保を進めていく。また、全プロジェクトに展開してプロジェクト管理文書などを蓄積し、新規プロジェクトに取り組む際に類似プロジェクトを検索できるようにする。将来的には、AIチャットボットも活用し、プロジェクト管理の品質向上と効率化を進めていく。

関連キーワード

SOMPOホールディングス / プロジェクト管理 / IBM / SOMPOシステムズ / 金融 / 保険 / 立川市

関連記事

トピックス

[Sponsored]

SOMPOシステムズ、プロジェクト管理をAIで省力化、報告レポートを自動生成SOMPOシステムズ(本社:東京都立川市)は2024年11月5日、AIを用いたプロジェクト管理の効率化・省力化の取り組みを発表した。日本IBMの「プロジェクト管理のためのAI」を導入し、同年10月より、グループの各事業会社のITプロジェクトにおいてレポート自動生成の仕組みを活用している。プロジェクトの進捗管理の効率向上のほか、各プロジェクトの状況の全体を俯瞰して管理できるようになった。

PAGE TOP