[市場動向]
IPA、「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」を公開、異組織間のデータ共有を推進
2024年11月18日(月)IT Leaders編集部
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2024年11月13日、「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」を公開した。一般的なデータ活用に加えて、異なる組織/業種間でデータを共有する「データスペース」の利用手順やその内容を解説している。経営戦略の策定からIT戦略・企画の策定、データスペースの運用、評価までの8フェーズの包括的に理解・実施を支援する。
データスペースは、国境や分野の壁を越えた新しい経済空間、社会活動空間の基盤技術・概念のこと。 国、組織を超えてデータを連携可能なルールや仕組みを整備し、多種多様で信頼性のある大量のデータを利用・流通できるようにすることで、新しいサービスの創出や既存サービスの高度化を目指している(図1、連載:データ駆動型社会を支える「データスペース」の実像─ハンズオンで理解するその価値と可能性)。
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データスペースの特徴として、データ提供元がデータの権利を保持し続ける「データ主権」、共通のデジタル基盤を利用することでだれもがデータを活用することが可能な「公平性」、データ提供元と相互に信頼性を確保したうえでのデータ転送/アクセスを可能にする「相互運用性」などが挙げられる(図2)。
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情報処理推進機構(IPA)デジタル基盤センター デジタルエンジニアリング部 データスペースグループが2024年11月13日より公開開始した「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」(PDF、全41ページ、画面1)は、一般的なデータ活用に加えて、異なる組織/業種間でデータを共有するデータスペースの利用手順やその内容を解説している。経営戦略の策定からIT戦略・企画の策定、データスペースの運用、評価までの8フェーズの包括的に理解・実施を支援する。
第1.0版として、まず「データ利用者」向けのタスクを先行して詳述している。IPAは、ガイドブックの第2部「データ提供者編」を近日に公開する予定。
第1.0版では、データスペースの利用手順として、フェーズの全体像をプロセス図で示したうえで、データをサービス展開などの事業に活用したい読者を「データ利用者」、データを提供したい読者を「データ提供者」として定義、それぞれのタスクを明示している。また、経営層、CDO(Chief Data Officer)や事業部門、IT部門が果たすべき役割も明確化し、各章の冒頭でタスクを主導すべき担当者や関与の度合いを図示している。
同ガイドブックの8つのフェーズに沿った章構成は以下のとおりで、各フェーズの主担当部門を図3に示している。
- 第1章:経営戦略策定フェーズ
- 第2章:IT戦略・企画策定フェーズ
- 第3章:データ提供準備フェーズ
- 第4章:データ検索フェーズ
- 第5章:契約フェーズ
- 第6章:データ利用アプリケーション開発フェーズ
- 第7章:運用フェーズ
- 第8章:評価フェーズ
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●Next:8つのフェーズに沿った各章の内容、利用企業・組織がなすべきこと
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