成田国際空港(本社:千葉県成田市)は2024年11月26日、空港設備の保全業務を省人化することを狙い、設備稼働時の異音をAIで検知する実証実験を開始すると発表した。このためのAIモデルを構築し、空調・上水・温水設備(第2ターミナル機械室)を対象に2025年3月から検証する。将来的には、他の空港内設備にも展開することも想定している。
成田国際空港には、多くの設備が存在しており、保守員が巡回点検を行って予防保全に努めている。しかし、少子高齢化により、熟練した保守員の減少や、将来の設備増加による作業負担の増大が課題となりつつある。
これらの課題を解決するため、設備稼働時の異音をAIで検知する実証実験を開始する(図1)。このためのAIモデルを構築し、空調・上水・温水設備(第2ターミナル機械室)を対象に2025年3月から検証する。保全業務の省力化と、設備異常の早期発見などにつなげる。
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実験は、異音検知アプリケーション「FAST-Dモニタリングエディション」を提供するHmcommとともに実施する。現場の音を24時間365日体制で収集し、遠隔地からネットワークを介して監視する。音声データを分析し、いつもと違う異音をAIが検出する(画面1)。
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検出した異音は、視覚的に可視化して共有できる。これにより、異常状態に関する暗黙知(ノウハウ)を定量的に示すことが可能である。また、録音データはダウンロードできるので、関係者に聞かせて説明するといった運用もとれる。