富士通は2024年12月2日、米Amazon Web Services(AWS)とのモビリティ、金融、小売分野における協業を全業種へと拡大すると発表した。各業種に向けたITシステムをAWS上で開発して提供する。システムエンジニアに対する人材育成も強化し、AWS認定資格保有数を3年間で現状の約7000件から1万2000件規模へと拡大する。
富士通はこれまで、パブリッククラウドベンダーの米Amazon Web Services(AWS)と、モビリティ、金融、小売の分野での協業に取り組んできた(関連記事:富士通、金融・小売業向けITサービスの提供でAWSと協業、AWS認定技術者も600人増員)。
その協業体制を全業種に拡大する。大きく、(1)AWSへの移行支援、(2)富士通が「Fujitsu Uvance」として提供する業務アプリケーションのコンサルティング/SIサービスとAWSクラウドサービスとの連携、(3)AWS認定資格者の育成・拡大に取り組む。
(1)移行支援については、メインフレームやUNIXサーバーで稼働する基幹システムの移行で2024年3月にAWSと協業している(関連記事:富士通とAWS、レガシーシステムのAWS移行支援で協業、今後5年間で40社のメインフレームを移行)。協業では移行対象システムの範囲を広げ、富士通のSIサービスと、AWSによる富士通の技術支援体制を組み合わせ、システム構築と運用支援をワンストップで提供する。
(2)Uvanceにおけるアプリケーションのコンサルティング/SIサービスの提供にあたり、AWSのサービスを活用する。例えば、生成AIのモデルとしてAmazon Bedrockを利用し、工場の生産ラインデータからリスクの予兆を検知したり、過去事例をもとに対応策を提案したりするシステムを構築する。
(3)AWSベースのシステム開発を担当するエンジニアを対象に、現状で約7000件のAWS認定資格保有数を3年間で1万2000件規模に拡大する。また、AWS技術者の体制・スキル強化によって、システムを短期に提供できるようにする。これらの取り組みにより、今後3年間で、過去3年間の実績から見て倍増となる800件以上の受注を目指す。