[事例ニュース]
ヤマハ、タレントマネジメントで従業員の自律的なキャリア開発を促進
2025年2月12日(水)IT Leaders編集部
ヤマハ(本社:静岡県浜松市)は、従業員の自律的なキャリア開発を支援する新たな人的資本管理基盤の構築に取り組んでいる。日本オラクルのクラウドHCM「Oracle Cloud HCM」を導入し、同システムを利用する約5500人の従業員に向けて、タレントマネジメントをはじめとする人事・人材施策を展開している。日本オラクルが2025年2月10日に発表した。
ヤマハは中期経営計画において、「ともに働く仲間の活力を最大化し、働きがいを高め、皆が挑戦する組織風土を醸成する」ことを掲げている。核となる人材への取り組みでは、グローバル視点でビジネスを牽引するリーダーの育成、適材適所の配置および多様な人材の構成、多様な対話の機会創出を課題として挙げている。
同社はそれらの課題を解決する仕組みを検討し、2023年8月に、日本オラクルのクラウド型HCM(人事・人材管理)アプリケーション「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(Oracle Cloud HCM)」(画面1)を導入。約5500人の従業員が利用する人的資本管理基盤として運用する。
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同社の人事部は、Oracle Cloud HCMで、従業員のジョブとスキルの体系を整理し、働きがいと働きやすさの向上、従業員の自律的なキャリア開発を支援するタレントマネジメント施策に着手。個人のイノベーション創出を促すために、個々の業務意欲や能力を可視化したうえで、従業員のキャリア情報を管理・活用する仕組みを整えた。
例えば、従業員はHCMを通じて、自身が「どのようなスキルを求められているのか」や「管理者が社員のキャリア志向を意識できているか」を把握でき、自律的なキャリア開発に役立てられる。また、人材募集時には、HCMを使った社内公募も同時に行い、人材流動性や組織の機動性の向上を図る。
ヤマハは、新しい人的資本管理基盤の構築においては、部門のジョブとスキル体系の整備など事業部門との合意形成がカギであると指摘する。
「HCMの仕組みによって人材データを一元的に統合し、部門間で人材情報を共有し、要員構成と人員・スキル分布を可視化している。将来的には、HCMに組み込まれた生成AIを活用して、職務記述書(ジョブディスクリプション)や募集要項の作成、指標を含む目標の自動作成など、人事業務の効率化に期待している」(同社)という。