矢野経済研究所は2025年3月28日、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場の調査結果を発表した。2024年の市場規模(事業者売上高ベース)を前年比118.1%の2兆2800億円と推計している。マイグレーションプロジェクトが市場の成長を牽引しており、特に、大企業においてシステムを作り替えることなく移行するリフトの施策が情報系システムを中心に行われているという。
矢野経済研究所は、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場を調査した。2024年の市場規模を前年比118.1%の2兆2800億円と推計している(図1)。

拡大画像表示
市場の成長を牽引するのは、業務システムやデータをクラウド環境に移行するマイグレーションプロジェクトである。矢野経済研究所によると、特に大企業において、システムを作り替えることなくクラウドに移行する「リフト」が、情報系システムを中心に行われているという。「近年は、基幹系システムのクラウド移行に検討・着手する企業が増え、クラウド上で稼働するシステムやデータ量が増加している」(同社)。
PaaS/IaaSの多くは従量課金制であるため、データ量の増加はクラウド利用料金の増加に直結する。2024年はサーバー仮想化製品の最大手であるヴイエムウェア(VMware)がライセンス形態を大幅に変更し、同社の仮想化プラットフォームで稼働していたシステムの移行需要が急伸した。
国内企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展もこの市場の成長要因になっている。「企業のDXは業務の効率化にとどまらず、競争力の向上や企業価値の最大化を目的としたものへと変化している。加えて、データ活用やデータドリブン経営に取り組む企業が増えていることも市場の成長につながっている」(同社)。
矢野経済研究所によると、企業のクラウド導入・運用を支援するITベンダーの側ではCI(クラウドインテグレーション)サービスの普及が進んだことで、導入・運用のハードルが下がり、より多くの企業がIaaS/PaaS利用するようになったという。
IaaS/PaaS市場は今後も順調に拡大し、2028年には4兆4900億円に達すると同社は予測している。成長を牽引する動きとして、セキュリティや可用性の向上、ITベンダーのCIサービスの強化を背景に、基幹システムのクラウド移行が加速するという。
また、生成AIの利用定着も市場を押し上げる一因となる。「クラウドサービス事業者がAI関連サービスの拡充に努め、ITベンダーもユーザーの生成AI環境の導入・運用支援を強化している」(同社)