大阪モノレール(本社:大阪府吹田市)は2025年4月28日、通学定期券の発行業務をマイナンバーカードと顔認証によって省力化する実証実験を、大阪大学、NECと共同で実施したと発表した。本人確認の利便性と効率を高めると共に不正申請の防止を図る。実証実験では効果を確認できたという。
大阪モノレールは、通学定期券の発行業務をマイナンバーカードと顔認証によって省力化する実証実験を、大阪大学、NECと共同で2025年3月に実施した。大阪モノレールの千里中央駅で行い、大阪大学の学生が参加した(写真1)。

これまで大阪モノレールでは、本人確認や資格証明を窓口で目視確認により行っていたが、利用者にとって場所や時間が制約になっていた。事業者の側では業務の負荷や不正申請の防止が課題だったという。これらの課題を解決するため、本人確認と資格証明を電子化した(図1)。

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実証実験では、マイナンバーカードを使った顔認証で本人を確認し、このうえで大学がデジタル通学証明書を発行、駅窓口で学割定期券を発行。以下は学生が定期券を購入するまでの具体的な手順である。
- マイナンバーカードを読み取り、顔認証により本人を確認したうえで、本人証明書を取得する
- 大学の通学証明書発行サイトに本人証明書を提示し、デジタル通学証明書を取得する
- 鉄道会社窓口にあるQRコードを読み取り、サイト上にデジタル通学証明書を提示し、証明書の改竄検証と顔認証による本人確認で、デジタル通学証明書の真正性を確認する
- 鉄道会社の窓口で通学定期券を発行する(模擬)
資格証明書を発行・運用するシステムとして、NECの「NEC Digital Identity VCs Connect」を利用している。現在、利用者は駅窓口で定期券を購入するが、将来の活用イメージではすべての手順をオンラインで完結させる(図2)。

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