[新製品・サービス]
アトラシアン、JiraとConfluenceのデータに生成AIからアクセスするためのMCPサーバーを公開
2025年5月7日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アトラシアン日本法人は2025年5月7日、「リモートMCPサーバー」のベータ版を公開したと発表した。サードパーティの生成AIサービスを介してアトラシアン製品(JiraとConfluence)のデータを検索・参照するためのMCP(Model Context Protocol)サーバー機能をSaaSで提供する。ユーザーは、ClaudeなどのMCPクライアント機能を持つ生成AIサービスを介して両製品にアクセスできるようになる。
アトラシアン(Atlassian)の「リモートMCPサーバー」は、サードパーティの生成AIサービスを介してアトラシアン製品(タスク管理の「Jira」、ナレッジ管理の「Confluence」)のデータを検索・参照できるようにするサーバー機能である。両製品ユーザーに向けて、使い勝手を高める付加価値機能としてSaaSで提供する。現在はベータ版である。

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MCP(Model Context Protocol)に対応している。MCPは、生成AIと外部の情報ソースをつなぐ規格であり、生成AI/大規模言語モデル(LLM)の「Claude(クロード)」の提供元である米Anthropic(アンソロピック)が開発した。ClaudeなどのMCPクライアント機能を備えた生成AIサービスは、情報ソース(アトラシアンなど)側が公開しているMCPサーバーに接続し、情報ソースを利用した回答を生成する(画面1)。
アトラシアンはリモートMCPサーバーを、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)などを提供する米Cloudflare(クラウドフレア)のソフトウェア開発ライブラリ「Agents SDK」を用いて構築した。Cloudflareのクラウド基盤上でSaaSとして提供しているため、ユーザーが自前でMCPサーバーを構築・運用する必要がない。リモートMCPサーバーに接続するためのURLは「https://mcp.atlassian.com/v1/sse」である(画面2)。

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アトラシアンは、リモートMCPサーバーとClaudeの組み合わせによって可能になる業務例として以下を挙げている。今後、Claudeと連携するアトラシアンアプリを追加する予定という。
- Jiraの作業アイテムやConfluenceページを要約する
- Claudeから直接Jiraの作業アイテムやConfluenceページを作成する
- モデルに複数のアクションを一度に実行させ、作業アイテムやページをまとめて作成する
- Claudeがアクセス可能な各種情報ソースからコンテキストを抽出してJiraのタスクに追加する