米Yellowfinは2025年4月26日、現場向けBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアの新版「Yellowfin 9.15」を発表した。新版では、既存機能「ガイド付きNLQ(自然言語クエリー)」を強化し、構文やカラム名を知らなくても自然な言葉でデータに関する質問を入力できるようにした。ユーザーが入力した文章をAIがNLQ構文へと自動で変換し、データベースに問い合わせる。これにより、より多くのユーザーが業務データから洞察を得られるようになった。
米Yellowfinの「Yellowfin」は、現場の業務担当者が日々の業務を支援する用途で使えるBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアである。RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)から生の業務データを抽出し、これをWebブラウザやモバイルアプリケーションのGUI操作によって対話型に分析できる。抽出したいデータをドラッグ&ドロップするだけで、対話型に操作可能な分析レポートが完成する。レポート上では、グラフや数値をクリックするだけで、分析の粒度をドリルダウンしていける。
新版では、既存機能「ガイド付きNLQ(自然言語クエリー)」を強化し、自然な言葉でデータに関する質問を入力できるようにした。ユーザーが入力した文章をAIがNLQの構文へと自動で変換したうえで、データベースに問い合わせる。NLQの構文やデータベースのカラム名を知らなくても利用できるため、より多くのユーザーが業務データから洞察を得られるようになった(画面1)。

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例えば、「2021年の利益を地域別に表示してください。」というような自然文で質問できる。AIはこれを「対象基幹は2021(年月日)の利益(合計)を表示する。地域(代理店)ごとに表示する。」というNLQに変換する。
何を質問すればよいか分からない時も、「質問の例」ボタンをクリックすると、問い合わせ先となるデータセットのメタデータに基づき、有用な質問のリストを生成して提案する。得られた質問の例をクリックすると、質問バーに入力されるので、必要に応じて編集して実行する。
既存機能の「ガイド付きNLQ(自然言語クエリー)」には、NLQの入力を支援するガイド機能がある。選択肢の中から調べたい対象を選んでいくことで、検索条件を指定できる(画面2)。例えば、ウイスキーとウォッカの注文日別の売上高を比較したグラフを得たい場合は、何をするか(比較)、メトリック(売上合計)、セグメント(製品カテゴリ)、値(ウイスキーとウォッカ)、ディメンジョン(注文日)、いつから(日付)などを選択していくことでNLQ構文を自動で得られる。今回、ガイドを使わなくても自然言語で問い合わせられるAIモードを追加した形である。

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