日本HPは2025年5月15日、建設現場の墨出し作業ロボット「HP SitePrint」を国内で提供開始したと発表した。設計図の情報を工事現場に線などで書き出す作業を代行する。従来の墨出し作業と比べて最大10倍の生産性向上を謳い、海外では北米、欧州、オーストラリアなどで導入実績を持つ。
日本HPの「HP SitePrint」は、建設現場で「墨出し作業」を担うロボットである。墨出し作業(マーキング)とは、設計図に書かれた内容を現場に正確に反映させる作業のこと。墨を用いて床や壁、天井などに図面の内容を書き込み、施工の目印を記す。これにより、工事現場での作業がスムーズに進むようになる。日本HPによると、作業員が行い従来の墨出し作業と比べて最大10倍の生産性向上効果をもたらすという(写真1・2)。

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ハードウェアはセンサーで障害物を検知して自律的に回避する。担当者は、ロボットが墨出し作業をしている間、他の作業に集中できる。8種類/3色(シアン、マゼンタ、ブラック)のインクを装填し、吸水性や防水、耐久性など塗装表面耐久性に応じて作業を行う。
クラウド型の管理機能では、墨出し作業のワークフロー全体を任意の場所から管理できる。サポートリクエストの記録、設計事務所と作業現場間でのCADドキュメントの共有などが可能である。
他社製/業界標準のロボティックトータルステーションとの互換性を持つ。対応機種は、Leica TS16、Leica TS60、Leica iCR80、Leica iCR70、Trimble RTS573、Trimble S9、Topcon LN-150、Topcon GT600/1200である。
北米、欧州、オーストラリアなどで導入実績を持つ。その1社、米カンザスシティのLevel 5 Drywallは次のように評価している。「導入初日、手作業チームが2~3部屋を仕上げる間に、HP SitePrintは7~8部屋の墨出し作業を高精度で終えた。ミスを減らして工期を数週間短縮できるようになる」。