日立システムズは2025年8月27日、AIエージェント/アシスタントのSIサービス「製造業向けアシスタントAI」を提供開始した。ユーザー企業が管理・蓄積するデータを利用して、設計図の品質チェックや過去のヒヤリハットの把握など、製造業特有の業務を効率化する。AIエージェントの開発・実行環境に「Azure AI Foundry Agent Service」を利用している。
日立システムズの「製造業向けアシスタントAI」(画面1)は、製品仕様に基づく対応可否判断、順守すべき各種法令・項目確認など、製造業に特有の業務を支援するAIエージェント/アシスタントのSIサービスである。
設計図の品質チェックや、現在の作業内容に合致する過去のヒヤリハット事例の把握といった業務をサポートする。日立システムズの社内実証からの試算によると、同サービスを導入することで、製造現場の業務を約32%効率化するという。

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操作性を洗練させており、ITスキルの習熟度をよらず活用できるとしている。製造のフロントラインワーカーが頻繁に行う業務については、テンプレート化し標準機能として用意。指示をつど入力する必要がなく、直ちに利用を始められるという。
AIの実行環境はユーザーのプライベートクラウドに構築する。社内データの活用や社内システムとの連携が容易で、ユーザーが有する業務のナレッジを生かしやすく、より複雑な課題に対処できるとしている。
セキュリティ面では、個人情報を含む質問を検知して警告する仕組みが備わっている。入力したデータは大規模言語モデル(LLM)の学習に使われない。また、不正アクセスを防ぐための多要素認証に対応している。
表1のように、試行、調査、本番検討のフェーズごとの導入支援パッケージを用意して、コンサルティング/SIを提供する。日立システムズは今後、製造業向け以外に、営業向け、健康データ分析向け、プロジェクト支援向けなどの業種に特化したサービスを追加していく予定である。
名称 | スターターパック | アセスメントパック | アドバンスパック |
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対象 | 試行フェーズ | 調査フェーズ | 本番検討フェーズ |
内容 | トライアル環境で、ユーザーの社内データを使った実践的なトライアルとレクチャーを実施 | トライアル環境での実機操作を含め、ユーザーのユースケースをどのように活用していくかの具体的なイメージ化を図る | ユーザー専用のAzure環境を構築。ユーザーの業務に合わせたカスタマイズや新規機能開発を実施 |
提供環境 | 貸与型トライアル環境 | 貸与型トライアル環境 | 専用環境 |
初期費用(参考) | 19万8000円 | 400万円から | 300万円から+個別見積もり |
月額費用(参考) | 10万円から | 10万円から | 39万8000円から |