[事例ニュース]
東プレ、3万品目の空調製品/部品在庫をBIダッシュボードで3割削減、出荷数推移パターンをAIで検知
2025年10月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
プレス関連部品や空調機器関連製品などを製造・開発する東プレ(本社:東京都中央区)はBIを活用して、1年で在庫金額を30%削減した。ウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard」の「在庫適正化テンプレート」を導入し、稼働開始から出荷数推移パターンをAIで検知することにより、月間40時間の作業削減を見込む。ウイングアーク1stが2025年10月17日に発表した。
東プレは、空調機器関連製品やプレス関連部品などを製造・開発している。空調機器部が扱う製品は多品種小ロット生産で、材料・部品点数は約3万品目、実在庫だけでも1万5000品目に及ぶ。各製品の販売数量の変動も大きいという。
「在庫を適切に保つのが難しいことから、欠品を防ぐために過剰在庫を抱える傾向にあった。在庫調整のための判断基準がないことに加えて、従来は生産管理システムから実績データを1つずつ抽出してExcelで在庫調整を行っていたため、多くの手間と時間を要していた」(東プレ)
これらの課題を解決するため、ウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard」の「在庫適正化テンプレート」(画面1)を導入した。製品・部品在庫の状況を分析・可視化するダッシュボードを6カ月間で構築し、2024年10月に稼働開始した。

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これまで担当者の経験に依存していた安全在庫の理論値をMotionBoardが算出し、この値を参考に生産管理システムのパラメータを調整するようにした。実際の在庫数が設定値を下回ったときに適量の発注をかけ、在庫数が安全在庫を下回らないよう制御できるようになった。
安全在庫の調整、仕入れ先との納期の調整、長期滞留品の廃棄などの改善に取り組んだ結果、1年間で在庫金額を30%削減を図った。また、AIとの連携で出荷数のパターンから在庫切れリスクの高い材料・部品をMotionBoard画面上で表示する仕組みを導入。これにより月間40時間の削減を見込んでいる。
東プレは今後、在庫金額をさらに10%削減することを目指すとともに、この取り組みを生産管理部門だけでなく他部門へと展開することを検討している。