[事例ニュース]
三重県の永井病院、AIヘルプデスクを整備、検査手順や感染症ガイドをスマホで参照
2025年8月29日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
医療法人永井病院(三重県津市)は、AI検索型のFAQシステム「Helpfeel」を全職員に導入し、院内のヘルプデスクとして活用している。職員・患者数が急増によって業務の負担が増していたが、導入により、新人の心理的不安が減らして離職率が改善、人事部門の残業時間も減ったという。Helpfeelが2025年8月28日に発表した。
永井病院は、三重県津市の二次救急指定病院として救急医療に注力してきた。直近の10年で職員は100人以上増え、現在は500人を超えている。一方、救急搬送の受入数も急増しており、現在の年間受入数は約3000件と、ここ5年で倍増しているという。
職員・患者数ともに急増する中、各現場では新人教育が負担になっていた。バックオフィスである人事部門においても、3人の担当者が職員500人以上の労務管理を行い、給与や制度などへの問い合わせにも対応している。
写真1:スマートフォンでHelpfeelのヘルプデスクを確認している画面。画面には手足口病のQ&Aを表示している(出典:Helpfeel)拡大画像表示
こうした中で永井病院は、2024年2月にAIヘルプデスクとして検索型FAQシステム「Helpfeel」を導入し、全職員がスマートフォンから業務知識や制度情報を検索できる環境を整備した。スマートフォンとチャットツールを全職員に配布している(写真1)。
Helpfeelは、多少の言葉の揺れがあっても目的の情報にたどり着く「意図予測検索」を備えている。この機能が病院のような医療の専門用語や略称が飛び交う職場に適していることを評価した。「感染症対応」など需要のある内容を整備して利用率を高め、導入1年後の調査では職員の87%がHelpfeelの存在を認知するようになったという。
ヘルプデスクを導入したことで、職員は場所を選ばず、スマートフォンで疑問を解決できるようになった。看護の現場では、「先輩や同僚に聞きにくい」という新人の心理的不安が減ったことにより、2024年度の離職率が前年比で2.7%改善。バックオフィス業務についても、質問対応が減って人事部門の年間残業時間が約60時間減少している。
永井病院 院長の星野康三氏によると、最大の成果は、職員の間で業務はもっと楽にできるという意識が芽生えたことだという。「これまで非効率を仕方ないと諦めていた雰囲気が、成功体験を通じて自ら改善を考える文化へと変わりつつある」(星野氏)。
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