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ロート製薬、Dynamics 365を新規導入した“2層構造ERP”で海外グループのデータを統合

2025年9月12日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

ロート製薬(本社:大阪府大阪市)は、グローバル全体の経営情報を可視化するため、“2層構造ERP”を構築した。グループ各社の既存ERPをTier1とし、その上に「Dynamics 365」でTier2となるERPを新規構築。主要海外グループ30社が保有する会計やサプライチェーンのデータをDynamics 365で集約、既存ERPの運用への影響を抑えながらシステムのサイロ化を解消して海外グループ会社のデータを統合している。構築を支援した日立ソリューションズが2025年9月12日に発表した。

 ロート製薬では、海外グループ会社が個別にERPを導入し、それぞれの業務基盤として利用してきた。この体制では、各社からの情報収集とグループ全体の経営状況の可視化に多くの時間と手間を要していた。各社で独自に管理しているマスターやコードの統一、ガバナンスの強化も課題だったという。

図1:ロート製薬が新たに構築した“2層構造ERP”の構成図(出典:日立ソリューションズ)
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 ロート製薬はこれらの課題を解決するため、日立ソリューションズの支援の下、グループ各社の既存ERPをTier1とし、その上にTier2として新たにERPを構築する“2層構造ERP”を検討。Tier2に日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics 365」を導入した。

 図12層構造ERPの構成図である。主要海外グループ30社が保有する会計やサプライチェーンのデータをDynamics 365で集約する。既存ERPの運用への影響を抑えながら、システムのサイロ化を解消し、海外グループ会社のデータを統合する仕組みをとる。Tier2の追加によって、マスター体系とコード体系を統一し、業務基盤として活用するためのデータ整備を実現したという。

 合わせて、BIレポート基盤に「Microsoft Fabric」を採用し、グループ各社で形式が異なるデータの加工・連携を自動化した。グローバル経営に必要なデータ収集、分析に要する時間を、従来比で約2週間短縮する見込みである。

 ロート製薬は今後、グループ各社それぞれのタイミングで、既存ERPを順次、Dynamics 365にリプレースしていく計画である。

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