[市場動向]
KDDI、さくらインターネット、ハイレゾが「日本GPUアライアンス」設立、GPUリソースを相互に再販
2025年10月21日(火)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
KDDI、さくらインターネット、ハイレゾの3社は2025年10月21日、業界団体「日本GPUアライアンス」を設立し、それぞれ保有するGPUクラウドサービスの相互再販などで協業すると発表した。AI開発需要の高まりを受け、ユーザーにGPUリソースを安定的に供給することを目指す。
KDDI、さくらインターネット、ハイレゾの3社は、業界団体「日本GPUアライアンス」を設立し、それぞれ保有するGPUクラウドサービスの相互再販などで協業すると発表した。
3社は、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」について経済産業省から認定を受けており、国内企業のAI開発の競争力強化を目的に、計算資源を国内のスタートアップやAI開発企業などに提供し、生成AI開発などの基盤を整備している。
今回、生成AIシステムの開発・利用などGPU需要の高まりを受け、ユーザーにGPUリソースを安定的に供給することを目指す。開発するAIモデルの規模やコスト要件に応じて、同アライアンス参加企業のサービスの中から適したGPUリソースを選択可能な体制を整える。近日に同アライアンスへの参加条件を公開し、企業・団体の参加を促すとしている。
3社による再販対象のGPUサービスは、KDDIが2025年度中に導入予定の「NVIDIA GB200 NVL72」(写真1)、さくらインターネットの生成AI向けGPUクラウドサービス「高火力シリーズ」、ハイレゾのGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」である。

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高火力シリーズは、NVIDIA B200/H200を搭載する高性能サーバーを提供する。GPUSOROBANは、地方の廃校を活用してデータセンターの建設コストを抑えているのが特徴で、NVIDIA H200サーバーを低価格帯で提供する。
3社では、KDDIが提案・構築支援する形で、すでに相互再販の事例がある。AIロボット協会は、さくらインターネットの高火力シリーズH200構成をロボット基盤モデルの開発に活用している。AIdeaLabは、GPUSOROBANのH200構成を、動画生成AI「AnimeGen」の開発基盤に利用している。
●Next:今後、日本GPUアライアンスが取り組む活動内容
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