[市場動向]
IT/OT統合でもゼロトラスト、AIの進化が促す管理者の役割変化─ガートナー「2026年のネットワークトレンド」
2025年12月5日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ガートナージャパンは2025年12月5日、「2026年にITリーダーが注目すべきネットワーク・トレンド」を発表した。同社によると、クラウド中心のアーキテクチャへの移行が進む中、オンプレミス領域でもゼロトラストに基づく細かなアクセス制御が求められている。また、生成AIの進展により、ネットワーク管理者の役割も機器監視からトラフィック分析へとシフトしつつある。
ガートナージャパンは、「2026年にITリーダーが注目すべきネットワーク・トレンド」を発表した(図1)。
同社バイスプレジデントアナリストの池田武史氏は、ネットワークは社内だけでなく顧客や取引先をつなぐインフラであるとの前提の下、「AI向けの高速・低遅延な機器やサービス、どこでも通信可能な非地上系ネットワークなど、新たなテクノロジーを視野に入れる必要がある」と指摘する。
図1:ガートナージャパンが示す、これからの企業ネットワークの全体像(出典:ガートナージャパン、2025年12月)拡大画像表示
粒度の細かいセグメント化でアクセスを制御
企業ネットワークのアーキテクチャが従来の閉域網中心のネットワークから、クラウド中心のアーキテクチャへと移行している。ガートナーは、その中核を担うのがSASE(Secure Access Service Edge)などで実現する論理的なアクセス制御であると説明。調査では、国内では、2025年時点で4割近い企業が、SASEやSSE(Security Service Edge)などのクラウドセキュリティサービスを利用し始めている。
一方、オンプレミス領域においても、従来のネットワークセグメンテーションよりも粒度の細かい動的なアクセス制御を前提とするゼロトラスト型のネットワークが求められているという。池田氏は、「ゼロトラストはインターネット向けの対策としては既に採用が広がっている。オンプレミスへの適用はこれからだ」と現状を説明する。
「オンプレミスでは、機能や役割ごとのセグメンテーションですら十分でないケースがある」と池田氏。企業は、データセンター、オフィス、工場などでセグメントを分け、さらにその内部をサブセグメントに分けるなどのアプローチが現実的かつ重要だという。このうえでさらに、「重要なデータや資産が集まる領域でマイクロセグメンテーションを適用することが望ましい」と助言している。
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