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[調査・レポート]

2024年度の国内CAD/EDA市場は5.4%増、EDAが牽引し2025年度も同程度の成長へ─矢野経済研究所

2025年11月25日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

矢野経済研究所は2025年11月21日、CAD/EDA市場の調査結果を発表した。2024年度の国内CAD/EDA市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年度比105.4%の2308億3900万円となった。2025年度も引き続きEDA領域が成長を牽引し、前年度比105.5%の2435億9000万円と予測している。

 矢野経済研究所の調査によると、2024年度の国内CAD(Computer Aided Design:コンピュータ支援設計)/EDA(Electronic Design Automation:電子設計自動化)市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年度比105.4%の2308億3900万円となった(図1)。

図1:国内におけるCAD/EDA市場規模の推移(出典:矢野経済研究所)

 矢野経済研究所は、CAD/EDAは製造業の設計開発部門において必要不可欠なシステムであり、特に日本のユーザー企業ではこれまで2DCADが広く用いられ、その後現在に至るまで3DCADへのリプレースが徐々に行われているという。

 「半導体サプライチェーンの安全保障上の地政学的リスクの回避や、AI技術の進展などを背景に半導体への関心が高まっている。半導体産業の再興に向けた支援などの国策も進んでいる。これにより半導体の設計ツールであるEDA市場も伸長している」(同社)

 同社は注目トピックの1つとして、企業のデジタルトランスフォーメーションの広がりに伴って、他領域連携や全体最適へとユーザー企業の方向性が変化していることを挙げる。それを受けて、現在の機械系CADベンダーは、CAD単体での価値だけでなく、設計の前後工程で利用するアプリケーションとの連携強化や、ものづくりプロセス全体の最適化を支えるプラットフォームの提供に取り組んでいるという。

 「これらの方針は、日本におけるDXの認知の広がりと深化に合わせて、特定領域のみに焦点を当てて効率化する部分最適から、プロセスや組織全体を効率化し付加価値を生み出す全体最適へと取組みを進展しているユーザー企業の方向性に沿っている」(矢野経済研究所)

 現在進行中の2025年度の国内CAD/EDA市場規模は、前年度比105.5%の2435億9000万円を見込む。同社は分野別の内訳を見て、2024年度同様、EDA領域の成長がCAD/EDA市場拡大を牽引すると予測する。また、機械系CADやプラント設計用CADにおける3D CAD移行やクラウドシフト、AI機能の実装などが進むことで、高付加価値化に伴う単価上昇がCAD/EDA市場伸長を下支えするという。

 一方で、市場に悪影響を与えうる懸念事項を挙げている「米関税政策などに起因する、自動車産業を筆頭とした日本製造業の先行き不透明さがあるものの、CAD/EDAベンダーによる先導的な提案や積極的な実運用サポートは継続していることから、今後も国内CAD/EDA市場は拡大を続ける」(同社)。

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矢野経済研究所 / CAD/CAE / EDA / 製造 / 市場動向 / 3DCAD

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