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[事例ニュース]

ホクレン、農薬請負散布の受発注アプリをローコードで市民開発

請求照合を5~6時間から15分に短縮、事業規模は3倍へ

2026年3月10日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ホクレン農業協同組合連合会(本所:北海道札幌市)は、ドローン農薬散布の受発注業務をローコード開発ツールでシステム化し、ホクレン・JA・散布業者の3組織間における事務作業を効率化した。サイボウズの「kintone」を活用して請求内容の照合に要する時間をこれまでの5~6時間から15分へと短縮しながら、事業規模を従来比3倍に拡大した。サイボウズが2026年3月10日に発表した。

 ホクレン農業協同組合連合会(ホクレン)は、JAグループ北海道において経済事業を担う組織である。2024年度の取扱高は1兆6800億円に達し、全国の消費者へ農畜産物を届ける「販売事業」、生産者の営農活動を支援する「購買事業」や「営農支援」を主たる業務としている。

 2021年度には、生産者の負担軽減と労働力不足への対策として、ドローンによる農薬請負散布業務を開始した。ところが、ホクレン・JA・散布業者の3者間で発生する受発注の事務作業はアナログであり、運用上の問題が顕在化した。

 依頼内容はExcelファイルで共有していたが、修正のたびにファイルが複製されてどれが最新版か判別できなかった。1件の修正ごとに電話で連絡する必要があり、現場の負担は大きかった。加えて、散布内容と請求書を1件ずつ目視で突き合わせる作業には最大5~6時間を要していた。

kintone導入で3組織間の受発注を一元管理

 事務作業の効率化を目的に、ローコード開発ツールのkintoneを導入した。IT知識ゼロの状態から始めた現場メンバーが、IT部門の伴走支援を受けながら、ホクレン・JA・散布請負業者の3組織間における農薬請負散布の受発注アプリを開発(画面1)。圃場マップの登録や散布面積の自動計算機能を備え、外部組織に対しては項目ごとに閲覧・編集制限も設定できる。

画面1:ホクレンが市民開発で作成した受発注アプリの画面(出典:サイボウズ)
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 会外メンバーを招待できるゲストスペース機能を使って外部組織との共同編集を実現したことで、1案件につき5~6個作成していたExcelファイルが不要になった。発注から報告までをkintone上で完結できる体制が整い、Excelの運用から完全に脱却した。

 さらに請求書アプリも別途開発し、農薬請負散布アプリと請求書アプリ間で散布情報を連携させることで、目視による突合作業自体を不要にした。これにより、かつて5~6時間を費やしていた照合作業が15分で済むようになり、事業規模は従来の3倍になった。

請負事業者の登録更新業務も自動化、年234時間を削減

 kintoneを活用した業務改革は農薬散布だけではない。資材生活事業本部の施設課では、施設の修繕・新設を担う約700社の「請負事業者登録」を2年に1度更新しているが、以前は郵送書類の確認、Excelへの転記と手計算による評価付け、事業者への受理報告メールの作成・送信まで、すべて手作業で実施していた。毎年1~2月の更新時期には職員2人が通常業務を止めて作業に忙殺されていた。

 一連の工程を刷新するため、kintoneとWebフォーム作成プラグイン、外部への情報公開プラグインを組み合わせ、申請受付から評価の自動算出、受理報告までを一気通貫で自動化する仕組みを構築した。現在は、事業者が登録した内容と添付書類をkintone上のAIが自動照合し、評価業務の自動算出や受理報告メールの自動作成・送信まで行う機能を実装済み。これにより年間で234時間の業務時間を削減し、転記ミスや計算ミスも排除した。

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ホクレン農業協同組合連合会 / サイボウズ / kintone

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