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[技術解説]

ナレッジマネジメント新時代─組織の壁を越えたコミュニケーションへ

REALCOM KnowledgeMarket V4の特徴と機能[後編]

2007年8月21日(火)リアルコム

前編では、KnowledgeMarketとはどのような製品なのかについて説明した。後編となる本稿では、 KnowledgeMarketの導入が企業にもたらす効果について説明していく。

情報洪水から企業を救う

企業内における情報共有の大切さが叫ばれて久しい。しかし、実際は「情報が共有されていないこと」よりも、むしろ「情報がありすぎること」が問題なのだ。つまり、情報がありすぎるがゆえに、必要な情報が必要な人に届いていないのが現状なのだ。こうした情報の洪水が起こった原因にはさまざまものが考えられるが、筆者は「情報の世界では市場原理が働いていない」ことが大きな原因と考えている。

この「市場原理」とはどういうものだろうか? 情報には「作り手」と「受け手」が存在する。たとえば、ファイルサーバーなら、作り手は情報をファイルサーバー上に置いて、受け手がその情報にアクセスする。しかし、こうしたやり取りで問題になるのが、そのファイルが誰に見られたか、また、そのファイルが役に立ったのかを知る術がないことだ。そのため、誰もアクセスしていないようなファイルがいつまでも残り続けたり、逆に評判のよいファイルが不要なファイル群の中に埋もれてしまったりしている。その結果、せっかくの貴重な資源を有効活用できていないという事態が発生しているのである。つまり、「よいものは残り、悪いものは消えていく」という一般市場では当たり前の原理が、企業内の情報システムでは働いていないのだ。

KnowledgeMarketは、そんな企業内の情報システムに「市場原理」をもたらし、社内の情報を有効活用できるようにするものである。

KnowledgeMarketでは、すべての情報について、「誰」が、「いつ」参照したのかについてログを取っている。そのため、よく参照されているファイル、ほとんど見られていないファイルが一目瞭然となる。

またファイルを見たあとの評価を行う仕組みとして「フィードバック」という機能を備えている。これは、情報を参照した受け手がその情報をポイントとコメントで評価する仕組みである。アマゾンのレビューのようなものだと考えていただければよいだろう。

この閲覧数と、評価の仕組みによって、情報の世界に市場原理が働きはじめる。たとえば、閲覧数が多い情報をランキングとして表示したり、ここ半年間誰にも閲覧されていない情報を削除したりといったことが可能となる。

図1 閲覧数とフィードバック

図1 閲覧数とフィードバック

このことを「商店」という例えを使って説明してみよう。市場原理が働いていない世界というのは、POSシステムが導入されていない商店である。陳列はバラバラでどこに何があるかわからない。売れている商品も、売れていない製品も同じように置かれているので、客は何を買っていいのかわからない。

しかし、市場原理が働くようになると、POSシステムが完備された最新のコンビニとなる。売れ筋商品は、店に入ってすぐの目立つところに平積みされているので客の注意を引くことができる。逆に不人気商品は、すぐに棚から外されるため、棚には常に新鮮で価値のある商品がならぶことになる。

KnowledgeMarketは、受け手が価値ある情報に素早くアクセスできるようにするための機能を有しているのだ。

組織の壁を越えたコミュニケーションを加速する

昨今、自分の部署だけ、自分の会社の中だけで仕事が完結することは少ない。多かれ少なかれ、組織を越え、会社を越えてコミュニケーションを図らなければ仕事は進まない。
しかし、実際に組織の壁を越えたコミュニケーションを行うのは難しいし、闇雲に行えばいいというわけでもない。たとえば1,000人の従業員がいる会社で、それぞれがブログを書いてコミュニケーションを始めたとする。すると、コミュニケーションのパスは1,000人×1,000人で100万通りもできてしまう。こうなってしまうと、もはやコミュニケーションではなく、単なるカオス(混沌)となってしまう。

KnowledgeMarketは、前編で紹介したコミュニティ機能を使ってコミュニケーションを設計できる。適切な場を用意することによって、コミュニケーションを加速させていくことができる。

たとえば、営業部門と企画部門の距離が離れており、顧客の声が製品開発に反映されていないという問題があるなら、営業部門と企画部門の社員同士がコミュニケーションを取るコミュニティを作ればよい。また、事業部制を敷いている会社などは、営業部隊が各事業部に分散してしまっているため、同じ顧客に対して、バラバラに営業活動をしてしまっているようなケースもあるだろう。その場合は、事業部をまたいで営業スタッフがコミュニケーションを取れるコミュニティを用意する。

KnowledgeMarketでは、コミュニティを柔軟に設計していくことにより、組織の壁を越えたコミュニケーションを加速させていくことができる。

図2 コミュニティのイメージ図
図2:コミュニティのイメージ図

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