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日本IBM、処理能力を1.5倍に高めたメインフレーム中位機「IBM System z10 Business Class」

2008年12月17日(水)IT Leaders編集部

日本IBMは2008年10月22日、メインフレームの中位機「IBM System z10 Business Class(BC)」を発表した。プロセサとメモリーの性能を高めるとともに搭載できる数量を増やすことで、処理能力を従来機の1.5倍に高めた。処理能力を130段階にきめ細かく設定して、使った分だけ料金を支払う課金体系を採用。大企業から中堅企業まで、幅広いユーザーを対象に売り込む。

製品の特徴

 上位機「System z10 Enterprise Class」と同じアーキテクチャの64ビット版CMOSプロセサ「Enterprise Quad Core z10」を10個搭載できる(表1)。

System z10 Business Class 写真1:IBM System z10 Business Class
 

 動作周波数は3.5GHzで、演算処理を実行する中枢回路(コア)の数はプロセサ1個当たり4つ。最大処理能力は2760MIPSで、1秒当たり27億6000万回の命令を実行できる。1.4GHz動作でコア数2つのプロセサを8個搭載する従来機「System z9 BC」の最大処理能力は1785MIPSだった。

価格体系

 使うリソースの分だけ課金する「オン/オフ キャパシティ・オン・デマンド」と呼ぶ価格体系を採用する。z10 BCはリソースをフルに搭載した1スペックのみだが、プロセサやメモリーの構成によって処理能力を26MIPSから2760MIPSまで130段階に設定できる。ユーザー企業は通常時は必要最低限の構成で使い、月末や年度末など高い処理能力が必要な時期に専用コマンドを入力して、一時的に利用するプロセサやメモリーを増やすといった運用ができる。追加で利用したリソースについては1日単位で課金される。

 z10 BCで動かすソフトウエアにも従量課金制を適用可能。z10 BCが備えるワークロード管理やキャパシティプロビジョニングの機能でソフトの利用状況をきめ細かく管理することで、4時間平均の最大使用率に基づいて1カ月当たりのソフト料金を決める「Entry Workload License Charges」を利用できる。IBMはユーザー企業の利用状況に応じてハード/ソフトの価格を柔軟に変更できるようにして、大企業だけでなく中堅企業のメインフレーム需要を掘り起こす考え。

価格と出荷時期

 価格は26MIPSの処理能力を持つ最小構成で2600万円から。10月28日に出荷を開始した。

表1:「System z10 Business Class」の主な仕様
プロセサ Enterprise Quad Core Z10を10個搭載
メモリー 256GB(2009年6月出荷分から)、128GB(2008年10月28日出荷分から)
稼働OS z/OS(V1.8以降)、z/VSE(V3.1、V4.1以降)、z/VM(5.2以降)、TPF(4.1以降)、z/TPF(1.1以降)
仮想化機能 z/VMのゲストOSや論理分割機能「LPAR」で割り当てるOSとして、Novell SUSE Linux Enterprise Server(9以降)、Red Hat Enterprise Linux(4以降)が動作する
入力電力 7.35キロワット
重量/スペース 953キログラム/1.42平方メートル
価格 2600万円から
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IBM / IBM Z / Red Hat Enterprise Linux / SUSE / z/OS / メインフレーム

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