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[調査・レポート]

稼働後に発生する欠陥数は、総合テストで判明した欠陥数の約20%─JUAS「ソフトウェアメトリックス調査」から

2009年4月10日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

プログラムの中に潜む、ミスや欠陥を「bug(バグ=小さな虫)」と呼ぶのは周知の通りである。でも、なぜ単純にmistakeやfaultではなく、あえてbugと呼ぶのだろうか。自分の無知を恥じつつ、早速ネットで調べてみることにした。

 諸説あるようだが、集積回路などがまだ発達していなかったその昔、機械に入り込んだ虫が電気系統に悪さをし、誤作動を引き起こす例が多々あったという。コンピュータがまだ真空管とリレーを使った巨大装置だったころ、1匹の蛾がマシン内に迷い込んでショートを起こし、計算ミスを誘発した事実も記録として残っているようだ。トラブルの元凶=虫のしわざというあたりが、どうやら一般的なバグの語源の解釈のようである。

 さて、そのバグと今日も我々は戦っている。何しろ、現代のバグは論理的な誤りが中心であり、実際の虫と違って目に見えにくい。一定規模以上のプログラムにおいてバグを根絶するのは非現実的であり、ある確率で潜んでいると考えるのが普通だ。

 とはいえ、可能な限りバグを減らす努力は欠かせない。業務システムを開発する際には、プロジェクトの節目節目にプログラム精査のプロセスを設けることでバグの撲滅、すなわち機能品質の保証に努める。単体テスト→結合テスト→総合テスト(受け入れテスト)という流れで進めるのが一般的だ。

 プログラミングミスなど初歩的な欠陥は初期段階の単体テストや結合テストで見つかることが多い。しかし、総合テストにもなると対象プログラムの規模や複雑度が増して、バグを発見・修正できる率が低下する傾向にある。このため、システムを納入して稼働を始めてからも、残念ながら再びバグが露呈してしまうことがよく起こる。

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