ノベルは2009年3月27日、Linuxディストリビューションの新版「SUSE Linux Enterprise 11」を発売した。サーバー、デスクトップ、仮想化、アプライアンス、それぞれに向けた複数製品で構成する。
新版では、サーバー向け製品「SUSE Linux Enterprise Server 11(SLES 11)」の機能を強化した。ソフトの導入や削除、更新の時に、他のソフトや呼び出すライブラリとの依存関係を管理して不具合を回避する「パッケージ管理機能」を改善。パッチ適用などに要する時間を大幅に短縮できるという。
サーバー環境を仮想化するハイーパーバイザー「Xen 3.3」を搭載。異なるアーキテクチャ(インテル製プロセサ搭載マシンとAMD製プロセサ搭載マシンとの間)で、アプリケーションを実行中の仮想マシンを、別のホストに動的移動するライブマイグレーションを利用できるようにした。
マイクロソフト製品との連携も強化した。SLES 11のオプションとして「SUSE Linux Enterprise Mono Extension」を新たに追加。これにより、Linux上で.NETアプリケーションが動作するようになった。
デスクトップ向けの「SUSE Linux Enterprise Desktop 11(SLED 11)」では、マイクロソフトのメディア再生プラグインである「Silverlight」をサポートする。Windows用のメディア形式 (wma/wmv)となる動画、音声ファイルを再生できるようにしたほか、「OpenOffice.org Novell Edition」の最新版を搭載して、Office 2007形式のファイルも利用可能にした。
価格(税別)はSLES 11が4万1880円、SLED 11が6000円(いずれも年間サブスクリプション)。