[イベントレポート]
「情報活用がビジネス課題解決の鍵」─ジャストシステムが文書管理に特化したイベントを開催
2009年6月18日(木)IT Leaders編集部
ジャストシステムは2009年6月16日、ビジネス文書管理の最新動向に関するイベント「JustSystems Search and Document Strategy 2009」を開催した。文書管理徹底による業務改革の事例や業界動向を紹介するトラックセッションのほか、同社やパートナー企業が持つビジネス文書管理に関する最新ソリューションを一堂に集めて展示した。冒頭、浮川 和宣社長は「コスト削減や生産性向上、品質の維持には情報の活用が不可欠。増大する情報を活用しやすくする製品を提供していく」と、全文検索をはじめとする領域に注力していく姿勢をあらためて強調した。
基調講演には、日本IBM専務執行役員ソフトウェア事業担当の三浦浩氏が登壇。最新技術の活用によって地球上の様々な問題を解決する「Smarter Planet」戦略に基づいた取り組みを熱く語った。
ICチップやRFIDといったマイクロチップを製造する自社工場では、生産プロセス改善によって水の使用量を27%削減。ストックホルム市では、交通量削減のため、ピーク時の通行料金を高くする「渋滞税」の課金システム導入によって渋滞量を20%削減するなど、情報活用が環境負荷低減や無駄な時間の削減に寄与する事例を紹介した。「今までは対処方法が無かった問題も、技術進歩によって解決できるようになっている」(三浦氏)と、ITのさらなる可能性を会場に訴えかけた。
続く特別事例講演では、自動車の見積もりサイトを運営するオートックワンの加登吉邦社長が講演。見積もりサイトのコンテンツ管理システムの刷新について説明した。
同社の見積もりサイトでは、PC/モバイル用併せて600万ページという多数のコンテンツ数を抱える。「今後も増加は必至」(加登氏)であり、コンテンツ管理が煩雑になっていたという。
09年4月に導入した新システムには、コンテンツ作成・管理ツールとしてジャストシステムの「xfy」を採用。タグによって情報を分類できるXMLフォーマットが利用可能であることと、記事に掲載する写真をドラッグ&ドロップで選択できるなど、コンテンツ作成を容易にする点を評価した。「HTMLの知識が無くてもコンテンツが作成できるため、編集部のコンテンツ作成スピードが上がったほか、営業部が自動車販売ディーラーへの取材記事を自らアップするようになるなど、コンテンツの量もバリエーションも広がった」(加登氏)。コンテンツの増加に伴い、検索エンジンからのアクセスも増加。「Googleからのアクセスが2割、Yahooでは3~4割上昇した」(同)。
新システムでは、サイト訪問者と販売ディーラー双方の見積もり履歴や商談履歴を蓄積。将来的にはユーザーの行動履歴に基づき、サイトの見せ方を変化できる仕組みを導入する計画だ。
午後はパートナー各社が分科会形式のセッションを実施。事例や業界動向、最新ソリューションについて講演した。事例では、KDDI情報システム本部コンシューマシステム2部課長の霜田剛平氏がジャストシステムのFAQサイト構築ソフト「ConceptBase FAQ」を利用した自社のFAQサイト刷新プロジェクトについて説明。業界動向では、NTTデータ技術開発本部シニアスペシャリストの遠城秀和氏が、XMLを利用した情報の部品化の必要性について解説した。
展示コーナーでは、ジャストシステムがビジネス文書関連製品である「xfy」や「ConceptBase」の紹介ブースを設けたほか、日本IBMや日本ユニシスといったパートナー企業が各ブースで最新の製品・サービスを披露。ユーザーは各ベンダーの担当者に熱心に質問するなど、終始賑わいを見せた。