[ユーザー会通信]
サポーターの応援を受け2008年10月設立、ユーザー主体の活動でさらなるファンを獲得する場に─WingArc Technologies Users' Group
2009年8月26日(水)IT Leaders編集部
先の見えない経済不況。コスト削減のためにユーザー会活動をスローダウンさせるベンダーも少なくない。そんな中、新たにユーザー会を立ち上げたITベンダーがある。ウイングアーク テクノロジーズだ。
ウイングアークは1993年に帳票システムの開発、販売を手がける翼システムの1事業部としてスタート。着実に業績を伸ばし、帳票・レポーティングツールの専業ベンダーとして、2004年に翼システムから独立した。
設立6年目のITベンダーながら、同社が提供する基幹系の帳票システム「SVF」、レポーティングツール「Dr.Sum EA」の2製品は知名度も高く、仕事の現場で熱心に使いこなす愛用者も多い。そんなサポーターからの応援を受け、昨年10月に発足したのが「WingArc Technologies Users'Group」である。発足時は12〜13社でスタート。まだ1年経っていないにもかかわらず、すでに20社を超えるまでに会員数を増やしている。
この時期に同社がユーザー会設立に踏み切ったのは、同社とユーザー企業双方の思いが一致したからだ。製品は市場に受け入れられ、ユーザー数は順調に伸びてきた。ところが、同社製品の多くはパートナー経由で販売されるため、ユーザーの生の声がなかなか届きにくく、逆に企業理念や開発姿勢など、同社からのメッセージもユーザーにうまく伝わらなくなりつつあった。そんな中、ユーザーからコミュニティを作ってほしいという声が聞こえ始め、ユーザー会の立ち上げへと至ったのである。
発足に先立ってはユーザーにヒアリングを試み、その声を反映させて活動内容はエンドユーザーを主体としたものとなっている。
活動のメインとなるのが、研究会活動だ。「SVF」「Dr.Sum EA」という製品別に研究会を年5回の割合で実施する。この研究会には開発メンバーも参加する。会員にとっては、製品に対する意見を直接言える場であり、その意見が製品に反映されていくことになる。一方、ウイングアーク側にとっては、会員の意見や要望を直接聞き、次なる製品のヒントを得る機会となる。双方にとってメリットのある場なのだ。
その他の活動としては年1回のユーザー総会、製品の最新情報などをいち早く習得できる勉強会、会員同士のケーススタディの発表やディスカッションの場が提供される意見交換会、他企業の取り組みなどを視察する企業見学会などがある。
設立間もないだけにまだ試行錯誤的なところもあるが、今後はいっそうの活動の充実を図るという。来年度にはユーザー主体で研究会のテーマ設定を行うなど、活動の幅を広げていく。もちろん会員数の増加にも積極的に取り組み、より多くのユーザーとのコミュニケーションを活発にしていく。ユーザー会を通じ、ウイングアークとユーザーの相互理解をますます深め、お互いにメリットのある活動を目指す。ただ会員を増やすのではなく、「ファンを増やしていきたい」というウイングアークのユーザー会への思いは熱い。
設立 | 2008年10月 |
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趣旨 | 会員相互の交流と研鑽 |
会員数 | 23社、60名(2009年6月末現在) |
年会費 | 2万円 |
主な参加企業 | T&D情報システム(会長) 安藤建設(副会長) |
URL | http://watug.jp/ |
総会 |
研究会(Dr.Sum EA研究会、SVF研究会) |
勉強会、意見交換会 |
見学会 |
Webサイト |
会長からのメッセージ
より良い製品は、多くの顧客(企業)が育てるといいますが、その意味で1万6000社の顧客を擁するウイングアーク テクノロジーズのユーザー会が発足したことは大変意義深いものと考えています。
当ユーザー会は、良い意味で影響力がある団体としてウイングアークとの相互成長を図り、異業種交流の場としてユーザー同士の情報交換も密にし、相互の価値を見出せる「Win・Win」の和をひろげることのできる環境を実現していきたいと思っております。
さらに、参加される個々人の相互の親睦、交流を深め、人材育成の場としても楽しいサロン「Joy・Joy」にできれば、と考えています。充実した魅力ある損をさせないユーザー会の運営を目指しています。
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