所有型のITから利用型のITへの転換を促すクラウド・コンピューティングの進展によって、データセンター・サービスに関する話題を耳目にする機会が増えてきました。クラウド・モデルへの理解を深めたユーザー企業の関心が、SaaSからPaaS、IaaSへとインフラ層に向かって広がりを見せ、また、グリーン化(地球環境への配慮とエネルギー利用効率の改善)、コンプライアンス、あるいはグローバル・インフラ統合といった要請もあって、データセンターに求められる要件は、この数年間で大きく様変わりしています。
そうしたなか、インターネット・データセンター事業者のさくらインターネットが6月21日に郊外型大規模データセンター「さくらインターネット 石狩データセンター(仮)」の建設計画の概要を発表し、話題を呼んでいます。そこには、2010年代のデータセンターのありさまを世に問うような、実に野心的なプロジェクトが描かれているのです。
石狩データセンターの構想は、産学官連携の北海道グリーンエナジーデータセンター協会(GEDC)が中心となり調査・誘致活動を進めてきたGEDCプロジェクトの第1号案件として建設が決定したものです。設計施工を担当するのは大成建設で、竣工時期は2011年秋の予定になっています。以下、さくらインターネットの発表資料から、石狩データセンターの主な特徴をピックアップしてみます。
■地の利を生かして実現される、圧倒的に安価な利用料金
さくらインターネットの試算では、石狩データセンターの利用料金は、東京23区内に同規模のデータセンターを建設した場合と比べて半分以下になっています。
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