[Gartner’s Eye]

変化を取り込む開発方式を採用しアプリケーションの価値を引き出す(第10回)

2010年7月15日(木)

環境変化が著しい昨今、アプリケーション開発においては急激な要件変更であっても迅速に対応できる方法論が求められる。だが現在主流のウォーターフォールにはその視点が欠けている。ユーザー企業は慣れ親しんだウォーターフォールにこだわらず、プロジェクトによって臨機応変に開発方式を選択しなければならない。

顧客のニーズは細分化し、かつ短いサイクルで変化を繰り返している。企業はこうしたニーズを的確に把握し、いち早く自社のサービスや製品に取り込んでいかなければならない。そのためには急な要件変更に対応するアプリケーション開発方式の採用が欠かせない。

だが実際は、どんなアプリケーションであっても、広く使われている開発方式「ウォーターフォール」モデルを採用するケースが大半である。使い慣れており無難だから、という安易な理由で採用しているのだ。しかしウォーターフォールの場合、要件定義や設計、開発、検証などに時間がかかるほか、変化が絶えない現在の市場に十分対応できないといった問題を抱える。市場の動きに適応できる開発方式を採用しなければ、せっかく構築したアプリケーションであってもビジネスに十分貢献できず、無駄な投資に終わりかねない。開発方式の選択ミスは、プロジェクトの失敗に直結する危険をはらんでいるのだ。

業務と市場変化に応じた開発方式の選択を

ではどのように開発方式を使い分けるのか。ガートナーは業務内容や要件変更の頻度に応じた、適切な開発方式の採用を推奨する(図)。それには図にある4区分のうち、どこに属しているのかを把握することが大切である。もし区分が不明瞭ならば、開発したアプリケーションに十分な効果は見込めない。

図 業務内容や要件変更の頻度によって分けられるアプリケーション開発方式
図 業務内容や要件変更の頻度によって分けられるアプリケーション開発方式

例えば、要件が安定しておりミッションクリティカルな業務向けアプリケーションならば、ウォーターフォールが適している。逆に要件変更が多く、ミッションクリティカルというほど厳格ではない業務ならば、対極にあるアジャイル的な高速開発手法(RAD)が適する。試行錯誤が多く、スピードが求められるCRM(顧客関係管理)やマーケティング、eビジネスなどが該当する。

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