[青木顕子のスウェーデンIT通信]

初代IT大臣にかかる期待(Vol.04)

2011年1月7日(金)

ここスウェーデンの内閣に、「IT担当大臣」が誕生したのは昨年のこと。重責を担うアナ・カリン ハット女史のプロフィール、そして今、どんな施策を講じようとしているのかを紹介しよう。

スウェーデンのIT政策は従来、インフラストラクチャー大臣(国土交通大臣)の管轄下にあった。しかし、昨年の新内閣発足時に初のIT大臣が誕生した。アナ・カリン ハット氏である。新年最初の本稿では、この若きIT大臣の横顔を紹介しよう。

【Anna-Karin Hatt(アナ・カリン ハット)氏のプロフィール】
中央党所属の38歳。1972年スウェーデン南部スモーランド地方に生まれる。政治に熱心な母親に育てられ、ヨーテボリ大学で政治学・国際関係学を学んだ。青少年時代から政治活動に邁進するも、一度は心身ともに憔悴して政治の世界から退く。 その後、PR会社の副社長、教育機関の社長を経て、2004年に、モード・オーロフソン産業・エネルギー大臣の交渉責任者として政治の中心舞台へカムバックした。10年にわたりハット氏を傍でみてきたオーロフソン氏は、彼女の優れたバランス感覚と交渉力を高く評価する。

就任演説でハット氏の挙げた具体的な目標は以下の通りだ。10年以内に各項の環境を整えることを目指している。

◆重度の学習障害を抱えた児童が、情報収集・編集作業がクラスいち得意となり得る環境(スクール・コンピュータの普及)
◆インターネットで医師を自由に選べ、テスト結果や治療記録を、病院へ出向かなくてもインターネットで確認ができる環境(プライベートな医療サービス)
◆自分で料理を作れる状態にない高齢の女性が、タッチスクリーンを使ってその日食べたいランチを選び、人としての尊厳を保てる環境(老人福祉への利用)
◆より多くの業務を自宅から可能とし、時間、お金、環境面でプラスとなる環境(ホームオフィスの推進)
◆スマートホーム(家庭内の全ての電気機器をネットワークで一元管理できる住居)に住むことで、電力消費を低減する環境(環境への貢献)

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