[青木顕子のスウェーデンIT通信]

意義ある年間アワードはノーベル賞だけじゃない(Vol.15)

2011年12月5日(月)青木 顕子

今年も残すところわずかとなり、クリスマスシーズンが到来した。街路を華やかに照らすイルミネーションや、住宅街の家々の窓、玄関に施されたクリスマスデコレーションが、冬の散歩に彩を与えてくれる。そんなスウェーデンから、IT関連のホットトピックをお届けしよう。

■陰の立役者に光を

12月のスウェーデンといえば歴史あるノーベル賞授与式が有名だが、その陰で粛々と執り行われる「Tenzing(テンジン)賞」にも注目したい。今回はまず、この意義深い式典の話題をお伝えしよう。

第1回めのTenzing賞授与は、わずか3年前の2009年のこと。この賞の名前は、登山家ならすぐにピンとくるはすだ。というのも、ヒマラヤ登山支援をするシェルパ、テンジン・ノルゲイ氏に由来するからだ。1953年に世界で初めてヒマラヤ登頂を果たしたエドムンド・ヒラリーの道案内人である。

彼なしでは、ヒラリーの偉業は成しえなかった。成功者の陰には、必ず成功を支える人物が存在するもの。この立役者の存在からインスピレーションを得てスタートしたTenzing賞は、成功者を導く人物や組織の功績に光を当てる。受賞者には、10万スウェーデン・クローネ(およそ110万円)が与えられる。

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