昨春、あるセミナーで野田智義氏の講演を聞きました。リーダーシップに関する話だったんですが、私がおぼろげに考えていたことにぴたっと符合した。それでさっそく、「リーダーシップの旅」を購入しました。同書は、マネジメントとリーダーの違いを明快に説きます。人やモノを差配し、目的に向かって調整するのがマネジメント。リーダーは、知識や経験に裏付けられた直感を駆使し、リスクをとってまだないもの、見えないものを具現化する。不安や不確実性のなかで創造と変革を進めるのが、リーダーというわけです。
確かに、そういう人は実在します。真っ先に思い浮かぶのは、京都医療センターの情報化推進研究室長である北岡有喜先生です。私も参加している医療クラウド関連プロジェクトを牽引している方で、我々の1歩も2歩も先を見る力にいつも敬服しています。あと、お会いしたことはないけれど、ソフトバンクの孫正義社長もカリスマ的なリーダーシップを備えた経営者ですよね。
科学では説明できない、神秘的なものに惹かれます。オーパーツってご存じですか? その時代に存在するはずのない遺物のことです。例えば、マヤやアステカ文明の遺跡で見つかったという、水晶ドクロ。水晶の塊を削り出して作った人間の頭蓋骨の模型です。解剖学的に見ても、非常に精緻にできているんだとか。はるか古代にそれほどの加工技術があったとは考えられないのに、不思議でしょう? こういうオーパーツは世界にたくさんあります。ナスカの地上絵とか、与那国島の海底遺跡とか。
そんな、神秘的なものに対する関心の延長線上で読んだのが「ダヴィンチ・コード」です。映画化もされましたから、みなさんご存じですよね。聖杯伝説やフリーメイソンなど、謎めいた題材をうまく絡ませつつスピーディーに物語が展開し、一気に読ませます。
「スローカーブをもう一球」は、「江夏の21球」を読みたくて購入しました。舞台は1979年のプロ野球日本シリーズ第7戦、9回裏。近鉄の攻撃で、広島の江夏豊投手は無死満塁と言うピンチを迎えます。広島のリードはわずか1点でした。一打逆転という状況で、同投手がイニング中に投じたのは全21球。著者は、その1球1球の球種やコース、打者との駆け引きを丹念に分析します。21球すべてに意味があったんですよ。日本シリーズのシーズンになると、ふと読みたくなる1篇ですね。ちなみに、「もうひとつの『江夏の21球』」という本もあります。近鉄の元応援団長の著作です。読み比べると、なかなか興味深いですよ。
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