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オラクル、インメモリー技術を駆使した「超速BI基盤」を発表、価格や出荷時期は未公開

Oracle Open World 2011

2011年11月18日(金)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

データベースマシンの「Exadata」、ミドルウェアマシンの「Exalogic」に続く“第3のExa”として開発されたのは、BIに特化したアプライアンス製品だった─。米オラクルは2011年10月2日〜6日、年次カンファレンス「Oracle Open World 2011」を開催。会期中に発表した新製品(表1)の中で、ひときわ関心を集めたのが初日の基調講演でベールを脱いだ「Oracle Exalytics Business Intelligence Machine(以下、Exalytics)」である。

 サン・マイクロシステムズを買収してからのオラクルは自社製のハードとソフトを最適化したアプライアンス、同社の言葉を借りれば“Engineered Systems”の開発に力を注いでいる。その考え方をデータ分析の分野で具現化したのがExalyticsだ。

 計40コアのXeonプロセサの搭載に特段の驚きはないが、1TBものメモリー(DRAM)を標準で備えている点は注目だ。インメモリーデータベース「Oracle Times Ten」を並列処理に適した形で実装し、その環境下でOLAP(オンライン分析処理)ソフト「Oracle Essbase」などの分析系ツール群を“快適に”動作させるための措置である。独自のデータ圧縮技術も組み合わせることで、1TBという物理容量の5〜10倍に相当する規模のデータを、高速なメモリー上で分析する。「思考スピードを妨げることのない分析環境」(ラリー・エリソンCEO)というのが売りだ。

 インメモリーDBを活用した分析アプライアンスという点では、SAPの「HANA」と競合関係になる。HANAは、HPや富士通などのサーバーベンダーとの協業で製品を出荷するのに対し、Exalyticsはすべてオラクル純正品の組み合わせという点でアプローチに違いがある。同製品の出荷時期や価格が正式にアナウンスされていないため、現時点で費用を含めたパフォーマンス比較は難しいが、今後の商談でぶつかり合うことは間違いない。

 オラクルは会期中に「Big Data Appliance」も発表した。文字通り大量データを処理する専用マシンだ。「高度なデータ活用」を土俵にした大手ベンダーの戦いが、ますます熾烈さを増すことは確実だ。 (緒方)

製品 概要
Oracle Exalytics Business Intelligence Machine インメモリーDBやBIツールを組み込んだ分析用アプライアンス
Oracle Big Data Appliance HadoopやNoSQLを実装した非構造化データ処理用のアプライアンス
Oracle Public Cloud オラクルのソフトウェアを月額課金のクラウドサービスとして提供する
Oracle Coherence 3.7.1 REST対応によりクライアント言語としてPHP、Pythonを新たにサポート
Sun ZFS Storage Appliance エンタープライズ向けNAS製品。データ圧縮機能などを向上
Oracle Fusion Applications SOAベースで開発した業務アプリケーションスイート
Oracle Solaris 11 大規模クラウド環境での運用を想定した最新版
表1:Oracle Open World 2011の主なトピック
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Oracle / Exadata / Sun Microsystems / Solaris / インメモリー

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