部下にはいろいろなタイプがいます。外敵に狙われるリスクを恐れず、水面上へ飛び出すトビウオがいる。リスクを回避しながら臨機応変に泳ぎ回る回遊魚もいる。さらには、上から落ちてくるエサをじっと待つ、個性たっぷりの深海魚も(笑)。おもしろいですよ。その一方で、1人ひとりからそれぞれ最大のパフォーマンスをどうやって引き出すかは悩みどころです。
部下にはいろいろなタイプがいます。外敵に狙われるリスクを恐れず、水面上へ飛び出すトビウオがいる。リスクを回避しながら臨機応変に泳ぎ回る回遊魚もいる。さらには、上から落ちてくるエサをじっと待つ、個性たっぷりの深海魚も(笑)。おもしろいですよ。その一方で、1人ひとりからそれぞれ最大のパフォーマンスをどうやって引き出すかは悩みどころです。
リーダーシップを考えるうえで、私がよりどころとしているのは中国古典。なかでも韓非子の思想です。「右手に『論語』左手に『韓非子』」で、そのエッセンスを学べます。孔子が立脚するのは、人の本性は善であり、その本性を伸ばしていけば何事もうまくいく、という性善説。でも、どうもピンとこない。それだけでは部下を動かせないことのほうが多いですから。
そこで韓非子です。韓非子は性悪説を唱え、「人は利益で動く」と看破しました。ここで言う利益とは、必ずしもお金ではありません。利益とは、その人がほしいもの。知識だったり達成感だったりと、人それぞれです。「この人は何を求めているのか」を想像し、それを与えるようにすれば相手を動かせる。そう考えるようになって気持ちが楽になりました。
「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」は、書店でふと目につき、購入しました。同書が説くのは、なまけものでなくなるための方法ではありません。“有能ななまけもの”になるためのノウハウです。読んでみると「あえて他人に流される」「『やればできる』はウソ」など、これまでの自己啓発本とはひと味違う法則ばかり。これらを実践すれば、より少ない労力で結果を出せるようになるというわけ。なりたいですねえ、有能ななまけもの(笑)。
ちなみに、本家のナマケモノって、ああ見えてなかなかの戦略家なんですよ。体温を上げるため、日中はじっと動かず眠り続ける。あまりにも動かないので、体毛にコケが生える。なんと、食料となる葉っぱが周囲にないときは、そのコケをつまみ取って食べるというんです。よくできていますよね。
清朝の歴史にはまっています。きっかけは「蒼穹の昴」「中原の虹」。12代続いた清朝を描いた連作で、とにかくスケールが大きい。四方を海に囲まれて育った私たち日本人にとって、大陸で繰り広げられるストーリーは壮大の一言です。うれしいのは、中国語のルビがふってあること。実は、中国語を勉強中なんですよ。中国語検定の3級を取得できたら、物語の舞台となった北京を訪れるつもりです。
昨年、思い切って蔵書を500冊ほど処分しました。ところが、本棚はすっきりしたものの後悔が残って。どんな本でも自分の思考や行動に大なり小なり影響しているはず。それを記録に残しておかなかったのはもったいなかったな、と。それでBookMemo(ブクメモ)を使い始めました。これは、書籍の画像を画面上の書棚に並べて管理できるiPhoneアプリです。コメントを付けられるし、既読や未読といったステータスも管理できるんですよ。今、手放してしまった本を思い出しては入力しています。もちろん、新しく購入した本や読みたい本も。
このアプリ、おそらく近いうちにソーシャルの仕組みと連動し、知人や仲間と書棚を共有できるようになるでしょう。そうしたら、これまで個人に閉じていた読書体験が、オープンな世界へと拓ける。大いに期待しています。
蒼穹の昴(1)
浅田次郎著
ISBN:978-4062748919
講談社
660円
なまけもののあなたがうまくいく57の法則
本田直之著
ISBN:978-4479792666
大和書房
1050円
- 諸岡みどり氏
- ソフトバンクテレコム 情報システム本部 コミュニケーションサービス統括部 サービスデリバリ部 部長
- 1986年に日本ソフトバンク入社。ソフトバンクBBにおいて、セキュリティオペレーションセンターの構築やシステム運用監視センターの業務などを担当。2008年4月から現職。グループの通信3社の情報システム部を兼務し、2万人を対象にしたパソコンのデリバリやOAシステムのサポートを担当している
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