[Data Speaks]

震災を機にDR/BCP実施企業は12%増加 コスト意識を持ち最善策に取り組む

2012年5月21日(月)

今月のテーマ : 東日本大震災以降のDR/BCPの実施状況 東日本大震災が発生してからすでに1年以上が過ぎた。震災は企業のDR(ディザスタリカバリ)やBCP(事業継続計画)への取り組みにどのような影響を与えたのか。具体的な取り組み内容を聞いた。有効回答数は1055人。 MM総研+IT Leaders編集部

昨年の震災を契機に、企業のDRやBCPに対する意識は急速に高まりつつある。では震災前後で、DR/BCPの取り組みに変化はあったのか(図1)。

図1 震災前後におけるDR/BCP実施状況の推移(単一回答、N=1055)
図1 震災前後におけるDR/BCP実施状況の推移(単一回答、N=1055)

震災前からDR/BCPを実施済みと回答した企業は41.1%だったのに対し、震災後の実施企業は53.2%に増加した。回答者の12%が新たにDR構築やBCP策定に取り組んだことになる。

DR/BCP実施済み企業(561社)に対し、その内訳も聞いた(図1の右図)。「震災前から実施済みのDR/BCPを見直して強化」と回答した企業が38.5%を占め、「震災前から実施済みのDR/BCPを刷新」(12.3%)と合わせると、震災後に実施済みとした企業のうち5割が既存のDR/BCPを見直して何かしらの策を講じたことになる。「強化/刷新を検討したものの進展なし」(11.6%)や「実施内容に変更なし」(15.0%)と現状維持としたのは実施済み企業の4分の1に留まった。

震災前からDR/BCPを実施済みの企業(434社)と震災前は未実施だった企業(372社)の、震災後の取り組み状況を比較した結果が図2だ。「検討したが進展なし」と回答した企業に注目してほしい。実施済み企業の「進展なし」は15.0%なのに対し、未実施企業のそれは34.9%と2倍近い開きがある。これは、実施済み企業はこれまでの運用経験から、何を見直せば現状を改善できるのかをある程度把握しており、何かしらの策を講じやすかったといえる。しかし未実施企業はこうした素地がない。取り組みたいが何から着手すべきか分からずに、結果的に進展しないままだったケースが多いようだ。

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