米国において、自社のサービスを計測可能にし、収益管理に役立てたいというニーズが高まっている。ITベンダーやコンサルティング会社といったサービス業に限った話ではない。モノに代わって顧客価値の源になりつつあるサービスサービスを、自社のリソースとしていかに計測・管理するかは、あらゆる企業に共通する課題である。
コンピューティングパワーだけでなく、人的サービスも時間単位の課金へ
サービス工数の単位がより細かくなってきたことも、こうした動きを強く後押ししている。具体的に述べよう。米国では1990年代後半から、コンサルティングやシステム開発といったITサービスへの対価の支払い単位は「人月」ではなく「人日」払いへと変化した。さらに近年では、「人時」払いが広がりつつある。その理由は大きく3つある。1つは、ビジネスのアジャイル化に伴い、新規アプリケーションをより短期間で開発する必要に迫られていること。もう1つの理由は、IT人材の慢性的な不足により、1人ひとりがより効率的に働く必要が生じできたことだ。
加えて、クラウドコンピューティングの進展が人時払いへの流れに拍車を掛けている。クラウドサービスを使えば、機器の調達や調整、ソフトウェアのインストール、プログラミングは不要。カスタム設定を施せば、すぐに利用可能になる。そのカスタム設定にかかる作業時間は、1回当たりせいぜい数時間である。客先に常駐するどころか、半日いる必要すらない。
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