現地メディアの報道から、韓国IT業界の最新動向をピックアップしてお届けする。
「デジタル教科書」導入に不透明感 費用の大きさや適否に疑問が浮上
ソウル新聞 | 6月1日
韓国が2014年に導入を予定する「デジタル教科書」に、不透明感が出ている。デジタル教科書の構想は、2011年に教育科学技術部(現在は教育部、文部省に相当)が“スマート教育推進戦略”として発表。2014年から小学校への導入を開始し、2015年には中学高校を含め全学生に広げる。そんな中、端末費用だけで3兆6000億KRW(約3100億円)、さらにコンテンツやネットワーク網に数兆ウォンが必要とする報告書を教育開発院が公表。現場の教師からも否定的な反応が多い。
報告書は、端末価格を1台50万KRW(約4万3000円)と仮定し、小中高の学生数723万人(2011年時点)から費用を算出した。加えて「ソフトウェア開発およびクラウド環境のネットワークに端末以上の費用がかかる」と推計する一方、デジタル教科書からの情報量の急増で「学生が混乱する可能性」、スマートフォン、タブレットに続きデジタル機器中毒などの「社会問題化の可能性」、個別学習の増加による「教師と学生の会話断絶の可能性」などを問題として挙げた。全国の小中学校の教師2万6882名を対象にした調査も全般的に否定的だった。特に小学校の教師は必要性ないとの回答が大半を占めた。ある教師は「手で書いたり描いたりする練習が必要な時期の小学生には適切ではない」と答えている。
韓国政府、インターネット新産業に6000億KRWを投資
―ソウル新聞 | 6月4日
政府は、クラウドなどのインターネット新産業に5年間で6000億KRW(約520億円)を投資する計画である。2017年まで1000社規模の企業を設立し、市場も10兆KRW規模(約8700億円)に拡大させ、5万人の雇用を創出することが目標だ。
未来創造科学部は、中小企業代表らとの協議を行う会場で「インターネット新産業育成方案」を発表した。IoT(Internet of Things)、クラウド、ビッグデータなどを含むインターネット新産業は、年間成長率が11.9〜28.8%で、従来のITの成長率(4.2%)よりもはるかに高い。しかし国内市場は未だ初期段階で、世界市場におけるシェアは0.2%〜1.9%に過ぎず、競争力もない状況である。
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