ヤマハ発動機は、グループの情報共有基盤としてマイクロソフトの「Office 365」を採用した。全世界で3万人の従業員が利用する。日本マイクロソフトが2013年11月7日、発表した。
ヤマハ発動機は海外市場における売上高が全体の9割を占める。アジアをはじめ、北米/南米、欧州などに拠点を構え、「現地で製造し、現地で販売する」といったビジネスモデルを実践している。
しかし経営を合理化するには、リージョンごとに部材を調達したり製造したりするのではなく、リージョン間で連携して生産性を高めることが必要と判断。リージョン間の連携を強化する目的で、情報共有基盤の刷新に踏み切った。これまでは全世界をまたがった情報共有基盤を構築していなかった。
そもそもグローバル共通の情報共有環境を構築しようと思ったのは2006年。当時はリージョンごとにオンプレミスを導入し、ネットワークを介して連携するシステムを想定していたという。だが、2011年の東日本大震災やタイの洪水を経験したことで、オンプレミスのリスクを痛感。2006年当時はなかったクラウドを前提にシステムを検討することになった。
最終的に「Office 365」とIBMの「Lotus Notes クラウド」、グーグルの「Google Apps」が候補として残った。費用や可用性、全拠点で利用できるかどうかなどを勘案した結果、Office 365を選択した。
Office 365に決めたのが2013年1月。まずはExchange Onlineの導入を優先し、2013年7月にインドとシンガポールの拠点に導入した。現在は、フィリピンやオーストラリアなどのアジア地域を中心に導入を進めている。
今後はSharePoint OnlineやLync Onlineの導入も視野に入れる。リージョンを問わずドキュメントを共有したり、在席状況を確認したりできるようにする。