売上分析や週次レポートなど、それなりにデータ活用はしているつもりだが、それは国内企業の中でどのレベルなのか─。参考指標となる大規模調査を日本データマネジメント・コンソーシアムが実施している。
日々繰り広げいてるビジネスの実績や、市場/顧客の動向を裏付けるデータなどをかき集め、じっくり“料理”すれば収益アップにつなげるためのヒントが得られるはずだ─。企業にとって「データの利活用」は、常に身近にあるテーマである。
昨今は、技術進展によって“いつか役立つかもしれない”という程度の膨大なデータも保管できるようになってきたし、無償/有償で広く提供されるデータのバリエーションも拡充している。一方で、分析・加工に使えるツール群もまた機能強化が著しい。
材料も道具も充実する中で、肝心の“腕前”はどうなのか。つまりは、データを経営に活かすためのPDCAサイクルを回したり、その精緻さを高めるのに欠かせない環境整備や推進体制を整えたりといった取り組みを総合した「データの活用力」は、いったいどんなレベルにあるのだろうか。
ここで、企業が自社の相対的ポジションを知ろうとしても、ベンチマークに役立つ統計指標が乏しいという問題に突き当たる。そんな状況を打破しようと活動している団体の1つが日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)だ。
JDMCは、データマネジメント<広く言えばデータを高度に利活用するための一連の取り組み>の啓蒙と普及を図ることを目的に2011年4月に設立された。その中の調査研究部会が中心となり、2011年度から毎年「データマネジメントに関する実態調査」を実施している。先に触れた、データ活用に関する国内企業のレベルを推し量る指標を提供することに主眼を置いたものだ。
これまで第1回(調査期間:2012年1月11日〜2月10日)、第2回(同:2012年12月25日〜2013年2月5日)と実施。それらの第1次集計に基づいた速報レポートについては、IT Leadersの下記コーナーに掲載している。
データ品質向上に動き出す国内企業、人材育成など幾多の課題に直面
トピックの詳細はそれぞれの記事を参照してほしいが、データの品質や鮮度を維持するための体系的アプローチや、データ活用の高度化を担う人材の育成といったことに悩む姿が浮き彫りになっており興味深い。
グローバルでの競争が熾烈さを増す中、国内に閉じた統計と自社を比較して一喜一憂している場合ではないとの指摘もあるかもしれない。しかし、データにかかわる国内の取り組み実態を明らかにすることは、多くの企業に共通する課題を浮き彫りにし、解決に向けたアイデアや好事例などの情報流通を促進する。ひいては日本企業の競争力向上につながるはずだ。
さて、その第3回めを迎える調査が今まさに実施中だ。以下のアンケートサイトにアクセスすることで回答できる。1社でも多くの方に回答いただくことが統計指標の信頼性を高め“今の真の姿”を映し出すことになる。当然のことながら、回答者の方々には調査結果がフィードバックされる。JDMCの活動主旨に賛同する編集部として、是非、読者の皆様の協力を仰げれば幸いだ。