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[データマネジメント2014]

データマネジメントをどこから始める? まずは定量効果を出しやすいデータ移行から

データマネジメント2014注目講演:NEC

2014年5月12日(月)

厳しい競争環境にあって、「正しい現状認識」に基づいた意思決定が今まで以上に求められている。経営者は変化を察知して迅速かつ精度の高い判断を、現場は勘に頼らない仮説検証型の業務を、それぞれ実現する必要がある。そこで重要となるのがデータマネジメントだが、最初から最適化された状態を目指すのは難しい。まずは、「データ資産の棚卸し」による現状把握から始める必要がある。

ビッグデータ時代を生き抜く~「データマネジメント」への取り組みの必要性と先進事例紹介

日本電気株式会社 SI・サービス技術本部 マネージャー 高市 裕子 氏

 ビジネスで情報を有効活用するには、意思決定の元となるデータの品質を高め、それを効率的に維持管理するデータマネジメントへの取り組みが不可欠だ。具体的に着手しようとした時、「一番の障壁となるのは、運用開始後よりも、むしろ開始前の課題」と、日本電気(NEC)の高市裕子氏は示唆した。

 「データマネジメントは中長期的かつ全社的な視点で、取り組まなければならない。それでいて費用対効果を説明することが難しく、なかなかプロジェクトとして承認されません」(高市氏)。

 そこで、まずは定量効果を得やすい領域から取り組みを開始し、実際に“果実”を味わいながら拡大していくことが望ましい。NECでは、起点となる領域の候補として「データ移行」に着目したソリューションを推奨している。データ移行は単なる「データの移動」ではないにも関わらず、システム開発に比べて検討が後回しになったり、リスク対策が不十分になったりしがちだからだ。

 「データ移行は、様々なトラブルや長期化、移行ツールの開発遅延など、コスト増の要因となっている。裏を返せば、そこで品質確保や効率化といった定量効果を創出できれば、これがプロジェクトへの足掛かりになる」と高市氏。

標準プロセスとツールを活用しデータ移行作業の効率化と品質向上を支援

 データマネジメントのファーストステップとなるデータ移行には、具体的にどんな困難があるだろうか。まず直面するのが、長年使用してきた既存システムに対する現状分析の難しさや複雑さだ。

 「そのシステムを構築した担当者が会社におらず、仕様書も残っていない。仮に仕様書があったとしても現状とは大きく乖離し、ブラックボックス化してしまっているケースがよくある。このため、データベースの中身を確認する、古い仕様書を見ながら新しい仕様書を起こす、プログラムからリバースエンジニアリングするといった取り組みが必要で、いずれにしても膨大な手間と時間とコストがかかってしまう」(高市氏)。

 また、データ移行プログラム開発においても、各種言語やデータベースに精通したスペシャリストを手配しなければならない。度重なる仕様変更のために、頻繁に手戻りが発生するといった問題も起こる。

 こうした課題に対してNECは、パートナーであるインフォマティカ社の「PowerCenter」や「Data Quality」といった製品を標準ツールとして採用。データ移行作業の効率化と品質向上を実現するソリューションを提供している。

 「例えば、システムのインタフェース仕様書やテーブル相関関係図、各テーブルの構造、データ件数、データ項目のフォーマット、データ内容の凡例や分布率などの情報を精度よく、効率的に入手できたらどんなに便利だろうか。実際にData Qualityでは、そのプロファイリング機能で、既存システムで運用しているデータの中身やテーブル間の相関関係などを可視化することができ、効果は大きい」(高市氏)。

 さらにPowerCenterが、GUIベースでの開発、標準提供部品や関数の利用によるコーディング範囲の削減と品質のばらつきの抑制、パイプライン処理や多重実行による高速なデータ加工・移送といったメリットをもたらす。

 「データをもっと経営や業務に活用したいと考える方、データ活用に際して課題を感じている方、データマネジメントについて興味を持たれた方は是非、相談してほしい。ツール活用やノウハウの総合力で応える体制が当社には整っている」と、高市氏は力強くアピールした。


問い合わせ先
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/powercenter/
E-mail:bu-tool_pwc@mspd.jp.nec.com
 

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