[ものづくりからことづくりへ、製造業に迫るサービス化の波]

【第6回】サービスとITの関係(3)=サービス情報の配信(1):ナレッジの準備と蓄積

2014年9月18日(木)山田 篤伸(PTCジャパン)

第1回から第3回では、アフターサービスにおける3つのビジネスモデルを見てきた。いずれのビジネスモデルでも、最大限の収益を得ようとすれば、ITの仕組みを活用して効率的にサービスを提供しなければならない。第4回からは、アフターサービスを支えるITの仕組みについて考えている。これまでに、サービスのための情報と部品について考えた。今回からは「サービスの実施」に焦点を当て、サービスナレッジの準備と蓄積について考えてみよう。

 第4回で、サービスのための「知恵」の準備として、サービス情報を取り上げた。しかし知恵としては、サービス情報だけでは不十分である。サービスナレッジを併せて準備しなくてはならない。

 サービスナレッジとは、機器・装置の診断方法や問診方法など、サービスの実施時に必要な情報を広く指している。修理マニュアルや部品カタログ同様に、製品の販売開始までに準備するだけでなく、サービスを提供していく中で現場の声を吸い上げ“育てていく”側面が強い。「サービスの準備」とは異なる要件が発生するため、サービスナレッジを独立して考えてみたい。

サービスナレッジの継承は永遠の課題

 サービス現場で昔から課題として挙げられるのが、サービス技術・知識の継承である。これには2つの側面がある。1つは世代間継承の課題だ。すなわち、熟練した技術員が体得しているサービス技術を、どのように若い世代に受け継がせるかである。

 若い世代の技術員にすれば、サービスの現場で、自分のキャリアよりも長く稼働している機器・装置を初めて見るという場面に、しばしば遭遇する。そのような場合でも、顧客の期待に応えるためには、熟練技術員と同レベルのサービスを提供できなければならない。

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