ものづくりからことづくりへ、製造業に迫るサービス化の波
製造業におけるパラダイムシフトが始まっている。利用者が製品を選ぶ際の基準が変化してきたのが最大の原因だ。これまでの「ものづくり」中心から、製品のライフサイクル全般を対象に利用者に体験価値を提供する「ことづくり」への変革が求められる。なかでも、これまで相対的に軽視されてきたアフターサービス領域での顧客接点の継続的な獲得・維持、すなわちSLM(サービス・ライフサイクル・マネジメント)が、売り上げ的にも製品開発的にも重要になってくる。
本連載では、欧州や北米で活発になってきた「製造業のサービス化」の動きを概観した後に、サービスから得られる収益を最大化するためにサービス・バリューチェーン全体で、どのような業務改善やIT 投資を実施する必要があるのかを解説することで、サービス提供のこれからの仕組みについて考えていく。