第7回までに、製造業のアフターサービスの進化の流れを追いながら、ITの仕組みを使ってアフターサービス事業を効率化する方法を見てきた。8回から10回までは、アフターサービスから真のサービスへビジネス構造をシフトする際に、多くの組織が直面するカベと、そのカベを乗越えるためのヒントを説明した。今回から2回に渡って、今後一般化すると思われるサービスの最新トレンドをみていこう。
これまで、サービスの過去と現状を概観してきた。今後のサービスに大きな影響を与えるであろう2つのトレンドが起こり始めている。1つがサービスのオムニチャネル化である。
流通業で先行するサービスのオムニチャネル化
「オムニチャネル」という言葉は、流通の分野では数年前から盛んに使われるようになっている。従来は、ほしいモノがあれば店舗に赴いて購入していた。それが、放送やネットの発達に伴い、店舗に赴かなくても通販やネットショップで同じ製品を購入できるようになった。流通経路(チャネル)が複数になるマルチチャネル化である。
それが現在では、実際の店舗とネットショップの間にあったカベを取り去り、ネットで購入した品物を店舗で受け取ったり、店舗に在庫がなかった品物を宅配で受け取ったりといった流通の統合が進んでいる。これがオムニチャネル化だ。職場の昼休みにネットで買った品物を、帰宅時に自宅の最寄り駅近くのコンビニで受け取るといった購買行動が可能になる。
ネットの発達が流通のオムニチャネル化を促したのと同様に、製造業にもサービスのマルチチャネル化/オムニチャネル化の波が押し寄せてきている。
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