クラウドファーストの考え方が日本企業にも定着しつつあり、今後のITインフラのあり方の1つとして、オンプレミスとパブリッククラウドを適材適所で使い分けるハイブリッドクラウドが注目視されている。この時代の変化を見据えてネットワールドは、「クラウドを活用したIT基盤を考える」をテーマに掲げたセミナーを開催。パブリッククラウド基盤となるMicrosoft Azureならびにプライベートクラウド基盤の構築を支えるFlexPod、Cisco UCS Miniを活用した次世代インフラのあり方を示した。
プライベートクラウド基盤構築で注目される
コンバージドインフラストラクチャ
企業における仮想化導入は進んでいるものの、その多くは部門単位などの局所的な取り組みにとどまっているのが実情だ。仕様が異なる仮想化システムがあちこち乱立し、運用負荷や運用コストをかえって増大させているケースもある。また、こうしたサイロ状態のシステム間ではリソースを有効利用することができず、拡張性も乏しい。
マーケティング1部
Ciscoデータセンターソリューション課
嶋津 聖純氏
この課題解決に向けて、ネットワールド マーケティング統括部 マーケティング1部 Ciscoデータセンターソリューション課の嶋津聖純氏が提示したのが、本セッションのタイトルにもなっている「プライベートクラウド基盤としてのコンバージドインフラストラクチャ」である。
コンバージドインフラストラクチャを簡単に説明すれば、サーバやストレージ、ネットワークなどの製品を、すべて事前に設計・設定・検証した上で組み合わせたパッケージだ。
もっとも、一口にコンバージドインフラストラクチャといっても、さまざまなタイプが存在する。単一ベンダーが自社製品ですべてを構成して提供するタイプ、マルチベンダーの推奨構成をSIベンダーが組み上げて提供する「リファレンス型」、同じくマルチベンダー構成による基盤をあらかじめ構築済みで提供する「フル・コンバージド型」などだ。
その中で嶋津氏が今回スポットを当てたのがリファレンス型の「FlexPod」であり、「すでにワールドワイドで2700社以上の導入実績があり、四半期あたり370社近くの新規顧客を獲得。昨年比117%の高成長を続けている」と一押しした。
具体的にはFlexPodは、Cisco Unified Computing System(以下UCS)、Cisco UCSマネージャー、Cisco Nexusスイッチ、NetApp FASシリーズから構成されており、「圧倒的なパフォーマンスと拡張性、統一したアーキテクチャを備えたコンバージドインフラストラクチャだ」と嶋津氏は強調した。
Cisco Validated Design(CVD)と呼ばれる手順書に沿って導入を進めることで、インフラ構築期間を最大80%短縮し、多様なビジネスニーズに対応したアプリケーションを迅速にサービス展開することができる。
さらに嶋津氏は、中規模クラスのシステム要件に合致したオンプレミスの仮想化環境を構築する上での最適な統合インフラとして「Cisco UCS Mini」を紹介した。1シャーシにサーバ、ネットワーク、ストレージ、UCS Managerのすべてを結集した“オールインワン”のソリューションである。
「コンピュータリソースの拡張性には制限があるものの、FlexPodで実現するインフラとほぼ同じ機能性を、Cisco UCS MiniとNetAppストレージの組み合わせによって、より低価格で達成することができる」と嶋津氏は語るとともに、FlexPodとCisco UCS Miniのいずれのソリューションに対しても、ネットワールドとしてエンジニアリングを含めた積極的なサポートを行っていくことを表明した。