株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(NTTネオメイト)が、「ワークスタイル変革」を旗印にソリューションの拡充に力を注いでいる。得意分野の仮想デスクトップに加え、ここ最近で力を注ぐのがスマートデバイスの業務活用を支援するクラウドサービスだ。代表的な3つのサービスの特徴を紹介する。
仮想デスクトップの概念をスマートデバイスに適用
─「AQStage 仮想スマートデバイス by remotium」
「AQStage 仮想スマートデバイス by remotium」は、2015年4月1日から提供を開始する最新のサービス。データセンターのサーバーで“仮想化されたスマートデバイス”を動かし、その画面をユーザーの手元にあるスマートデバイスに転送(暗号化ストリーミング)するというユニークなものだ。
「これまで仮想デスクトップといえば、Windows PCを前提としたものがほとんどでしたが、これをスマートデバイスにも適用しようというアプローチを採っているのが特徴です」と、プラットフォームサービス推進部 新ビジネス企画部門の能田雄規氏は説明する。当然ながら、手元の端末にはデータが残らないのでセキュリティー上も安心だ。
ベースに採用しているのは、米国のRemotium,Inc.が開発したテクノロジーである。セキュリティに関するグローバルでの最大級の年次イベント「RSA Conference」でアワードを受賞した経緯があるなど、モバイルアプリ向けセキュリティープラットフォームの注目株だ。これをNTTネオメイトが自社サービスの中に組み込み、クラウド型として提供する。メール、スケジューラ、ブラウザ、アドレス帳、カメラなどを活用する機能をNTTネオメイトが標準で用意している。
サーバー上で稼働する仮想スマートデバイスのOSはAndroid。一方で、クライアント端末はiOSおよびAndroidに対応する。ケースによっては、手元にあるのはiPhoneでありながら、その中でサーバーサイドのAndroid環境およびアプリが動くという、一風変わった使い方となる。
ここ最近、指先タッチで簡単に操作できるというスマートデバイスの特性を活かすために、ビジネス用途でもネイティブアプリを用意する動きがある。業務システムにアクセスするアプリを独自開発したり、業務パッケージやSaaSなどのベンダーが専用アプリを提供したりといった例だ。Androidをベースとするものならば、本サービスでそのまますぐに使うことが可能だ。
利用アプリや通信先などを管理者が一元的に管理・モニタリングできるのも特徴で、所定のポリシーの基づいて効率的に運用できる。通常はスマートデバイス本体が備えるフル機能を自由に使い、業務シーンではサーバーの仮想スマートデバイスを使うことによって、プライベートとビジネスの領域は明確に分離される。この点で、BYODにも十分に対応できる。
「スマートデバイスは端末のバリエーションが多く、OSも頻繁にバージョンアップされるため、業務用クライアントとして使いにくい面も多々あります。それに対し、端末の仕様やOSの差異を意識せず、単一の仮想環境で運用できるremotiumは、IT部門にサポートの負荷を強いることがありません」と能田氏は利点を強調する。