株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(NTTネオメイト)が、「ワークスタイル変革」を旗印にソリューションの拡充に力を注いでいる。得意分野の仮想デスクトップに加え、ここ最近で力を注ぐのがスマートデバイスの業務活用を支援するクラウドサービスだ。代表的な3つのサービスの特徴を紹介する。
VPN接続で社内リソースにセキュアにアクセス
─「AQStage セキュアルック」
「メールやスケジュールを確認したい」「ファイルサーバーにある文書を閲覧したい」──。スマートデバイスを仕事に活用するという場合、多くの企業が真っ先に実現したいとする項目だ。モバイル活用が様々なポテンシャルを秘めていることからすると“基本編”に映るかもしれないが、これらを具現化するだけでも担当者の利便性はぐっと高まる。
機能を欲張ることなく、“第一歩”を踏み出すのに必要十分な機能を持たせたサービスが「AQStage セキュアルック」だ。ユーザー企業が用意する社内の中継サーバーと、NTTネオメイトのデータセンターに用意したサーバーとをVPN接続。スマートデバイスの専用アプリからまず後者に接続し、VPN経由で、社内のメールサーバーやグループウェアサーバー、ファイルサーバーなどにアクセスできるようにする。
端末の専用アプリはiOS/Androidに対応。「画面デザインはデバイスごとに最適化され、利用者が直感的に操作できるのが特徴です。例えば、メールに添付されたファイルを見る際、いつも使っているデバイスと同様に指先で簡単にズームやスクロールができます」(プラットフォームサービス推進部 新ビジネス企画部門 主査の川崎麻里子氏)。端末側にデータをロードしない仕組みとなっており、セキュリティー面でも安心だ。
一般的なPOP/IMAPのメールシステムのほか、Microsoft Exchange、IBM Lotus Notes、サイボウズのOffice/Garoon、Windowsベースのファイルサーバーなどにアクセスできる。また、Office365、Salesforce.com、GoogleAppsといったクラウドサービスとの連携も可能だ。閲覧できるファイルは、Office文書(Word/Excel/PowerPoint)、PDF、テキストのほか、tif/bmp/gif/jpg/pngといった主要な画像データ。ZIP形式で圧縮されたファイルの中身も確認できる。
自分が担当する仕事に関して急ぎのメールが届いていないか確認したり、移動途上で急に参照が必要となった社内文書にアクセスしたりと、セキュアルックを使えば外出先にいても多くのことをこなせる。スマートデバイスの業務利用は、実際に使ってみることで、先々の“応用編”も見えてくるもの。まずは身近な用途からスタートしたいというニーズにはぴったりのサービスだ。
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これまで見てきたように、NTTネオメイトは、スマートデバイスを業務シーンで有効活用するためのクラウドサービスを着々と拡充している。どれか1つを中核に据えるのではなく、用途別のバリエーションを揃えていくのが基本方針だ。今回紹介したサービス以外にも、まだまだラインナップが増える可能性もある。
一口に「スマートデバイス活用」と言っても、企業それぞれに目的が異なるし、企業の中でも部署によってニーズは様々。ERPパッケージをビッグバン方式で導入するようなやり方は難しく、現場の声を起点に小さく始め、使いながら徐々に適用範囲を拡げていくのが現実解だ。場合によっては、複数のサービスを組み合わせて使いたいというニーズも出てくるだろう。その観点で、従量課金ですぐにスタートを切ることができるクラウドサービスの活用は有効な選択肢となる。
「顧客の悩みや目的をじっくりと伺い、完全にフィットした解決策を提示するのが当社の使命です」と強調するのはプラットフォームサービス推進部長を務める宮田徹信氏。「導入が目的ではありません。使いこなせるまでのサポートを含め、顧客が実際に効果を実感できるよう、とことんまで一緒に汗を流す覚悟ができています」(宮田氏)。ゴールを目指すランナーの心強い伴走者になる。それがNTTネオメイトが掲げるミッションだ。