今日、私たちが活用するアプリケーションやITサービスのすべてが、インターネットや社内ネットワークへの接続を前提に作られています。さらに今後は、ビッグデータ活用やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)への取り組みが、特別なことではなくなってくるでしょう。そこでは、米Amazon.comや米Googleに代表されるように、クラウドコンピューティングを前提にしたITインフラ(IT Infrastructure)の構築が求められてきます。なぜ、既存のITインフラでは次のステージへと進めないのでしょうか。
最初にITインフラ(IT Infrastructure)の歴史を少し振り返ってみましょう。
企業におけるコンピューター利用が始まってから1980年代までは、メインフレームを中心とした集中処理の時代でした。90年代に入り、ITインフラはクライアント/サーバーの時代を迎えます。ただ、ソフトウェアやツール、アプリケーションなどは、サーバーやストレージなどのハードウェアベンダーごとに用意され、採用したハードウェアベンダー単位にシステムがサイロ化する例が一般的でした。
仮想化がITインフラの姿を変えていった
拡大画像表示
2000年の後半になると、サーバーの仮想化が始まります。物理サーバー上にハイパーバイザーが構築した仮想的なサーバー(VM:Virtual Machine)を利用するようになったのです(図1)。物理サーバーとしては、米Intel製プロセサの「x86」アーキテクチャーを採用した機種が多用され、これが現在に続くITインフラの主役になっています。
仮想化により、物理サーバー単位のサイロ化からは逃れたものの、仮想サーバー単位のサイロ化が起こっています。
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 3
- 次へ >
- 【最終回】ハイブリッドクラウドはオンプレミスもクラウド型に変革(2015/12/22)
- 【第12回】自動階層化(Auto-Tiering)で次世代ITインフラにスムーズに移行する(2015/12/08)
- 【第11回】ハードウェアが壊れても“Always On”でサービスを止めない(2015/11/24)
- 【第10回】DR/BCにはマルチデータセンターが不可欠(2015/11/10)
- 【第9回】ハードが壊れてもデータを保護できるITインフラに(2015/10/27)
ハイブリッドクラウド / IaaS / オブジェクトストレージ / Cloudian