ハイブリッドクラウド時代の次世代ITインフラでも、DR(Disaster Recovery:災害復旧)/BC(Business Continuity:事業継続)対策のために複数のデータセンターが必要になります。パブリックなクラウドサービスを活用しながらも、外部には預けられない重要なデータはオンプレミスに保存することになるからです。さらに、単なるバックアップ用のデータセンターを追加するのではなく、複数のデータセンターを一体運用できる「マルチデータセンター対応」が求められます。
マルチデータセンター(Multi Datacenter)の定義:
複数のデータセンターのITインフラリソースをネットワーク経由で共有するクラスターを構成し一体運用すること、およびその仕組み
ハイブリッドクラウド時代にも複数のデータセンターが必要
前回、次世代ITインフラにおけるデータ保護について説明しました。ただし、そこで取り上げたのは、サーバー内蔵のハードディスクやサーバー自体に障害が起こってもデータを消失することなく保護する仕組みでした。いずれも、1つのデータセンター内で起こり得るリスクです。
これに対し、「マルチデータセンター」は、複数のデータセンターがITインフラのリソースを共有することで、仮に1部のデータセンターに障害が発生してもデータを保護し、かつサービスを継続するための仕組みです。
クラウドサービスは、「いつでも使える」という可用性の高さがメリットの1つです。それが提供できるのは、マルチデータセンター対応をしているからです。なので、クラウドサービスを DR(Disaster Recovery:災害復旧)/BC(Business Continuity:事業継続)対策として活用することは有効な方法です。ちなみに、DRは災害が起きた際にITシステムを復旧できることであり、BCはDRを含め事業を継続するためのプロセスや手順のことです。
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