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[ハイブリッドクラウド時代必修ITインフラの基礎知識]

【第8回】リソースの管理効率を高めるマルチテナント

2015年10月13日(火)本橋 信也(クラウディアン取締役COO)

複数ユーザーが1つのITインフラを利用するのと、複数の個人やグループが1つのITインフラに同居するのとでは、ITリソースの利用効率が異なります。1つのITインフラに複数のテナントが同居できれば、サイロ化を防げ、コストや運用作業の軽減が図れるほか、組織単位でリソースを効率的に管理できます。これがマルチテナントのメリットです。

マルチテナントの定義

ITシステムを構成する物理装置やソフトウェア、データベースなどに複数の個人やグループ(テナント)が同居する環境、およびその仕組み


「複数ユーザー」と「マルチテナント」は異なる

 ITシステムにおけるマルチテナントは一般に、「複数のユーザーが1つのITシステムを共有すること」と定義されることが多いようです。しかし、この定義では多少の誤解を招きます。というのも通常、アプリケーションは複数のユーザー(マルチユーザー)が利用することを前提に開発されており、ITシステムを複数のユーザーが利用するのは当たり前とも言えます。そのため、「複数のユーザー」ではなく、あえてマルチテナントと呼ばなければ、その理由と特徴が分かりにくくなります。

 そもそもテナントとは、賃貸借契約のもとで不動産を借り受ける個人や店舗、事務所のことです。マルチテナントとは、複数のテナントが、賃貸マンションやアパート、商業施設、オフィスビルに同居することです。店舗や事務所の場合には社員がおり、これらの社員が施設を利用する実際のユーザーです。

 ITインフラにおけるマルチテナントも考え方は同じです。クラウドサービスは、クラウドという同居施設をWebサービスやアプリケーションといった複数のテナントが賃貸借契約で利用しているようなものです。多くの場合、それぞれのWebサービスやアプリケーションを利用する実際のユーザーがいます。

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