香港での交通カードシステム刷新という大型案件。競合する北京鳳凰の行動には何か裏がありそうなため、同社の蘇総経理に直接電話し、2日後に北京で会う約束を取り付けた。日本ITCソリューション課長の佐々木と、香港支社副社長の森山は、夕食を採りながら、孫子の兵法の始計篇の「詭道」に基づき、対中国企業のための戦略を練り始めていた。中国人や華僑の人材を味方に付け、彼らと共に交渉を進めるべきだとの考えが強まっていった。
台湾人や中国人は、次のような点で日本人とは異なっている。すなわち、彼らはグローバルにビジネスを展開しやすいと言える。
■どこに行っても、地域の人に溶け込むが、自らの文化と言語は何代に渡って維持し、母国の親族との関わりを切らない
■物事に対する考え方が極めてフレキシブルで、チャレンジ精神が旺盛である
■自分の責任と権限を明確にする
■仕事に対するスピード感が早い
一方で台湾人は、以下のような点で、大陸の中国人とは異なっている。
■中国人同様に物事の表裏を理解しているが、人懐っこく騙されやすい
■民主主義で、欧米流のビジネスの仕方に精通している
■日本人の物の考え方を理解している
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