金型用部品や間接材などの製造・卸事業を営むミスミは、取引先との商取引基盤をクラウドベースに切り替える。独SAPグループの米Aribaの購買サービスと、加OpenTextグループのGXSのEDI(Electronic Commerce:電子商取引)サービスを組み合わせる。ミスミの次世代プラットフォーム準備室 担当部門長である金田 博之 氏が、米ラスベガスで加OpenTextが開催した年次イベント「Enterprise World 2015」において、2015年11月11日(米国時間)に概要を公表した。
ミスミが次世代の商取引基盤に位置付けるのは、電子カタログを使った製品の検索・選択から、ERP(Enterprise Resource Planning)システムを介した発注から発送確認までを自動化するためのクラウド環境である。「リードタイムを現行の2日間からの5分にまで短縮する」(ミスミの次世代プラットフォーム準備室担当部門長である金田博之氏)のが目標だ。
次世代商取引基盤には、2つのクラウドサービスを組み合わせる。独SAPグループの米Aribaが提供する購買サービスと、加OpenTextグループでEDI(Electronic Commerce:電子商取引)関連サービスを提供するGXSの「OpenText Managed Services」である。Aribaの購買サービスで製品の検索・選択までを、OpenText Managed Servicesにより発注から発送確認までを、それぞれカバーする(図1)。
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具体的には、Aribaの機能を使いミスミが管理する電子カタログを顧客に提供。顧客は、その電子カタログで必要な部品などを検索し特定する。発注する製品が決まれば、顧客側のERPの発注機能が求めるデータが自動的に提供され、GXSのEDI経由でミスミに発注できる。ミスミは、自社のERPで受注処理を実行し、受注が確定し発送処理までが環境したことを顧客に伝える。
この間、受発注に必要な製品コードや発注数といったデータを再入力する必要がなく、かつ、それぞれのERPでの受発注処理が完了するのが特徴。特に顧客企業側では、調達業務が軽減される。設計・製造部門が必要な部品などを選択し、その結果を受けて調達部門が実際に発注するというプロセスが、設計・製造部門の選択による発注が可能で、調達部門は全体をモニタリングするだけで済む。
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